第15話
そうだ。
ずっと感じてた。
嘘だって思うかもしれないけど、なんとなく感じてたんだ。
明日も同じ日が来るかもしれないってこと。
今日と同じ日が、“永遠に続くのかもしれない”って、心のどこかで——
「雨はいつ降ると思う?」
「雨?」
「そう。——雨。今日が何曜日で、明日が“いつ”か。そう考えたことは?」
…わからない
バタバタと制服が揺れる。
上空から見える車の往来と、——人。
今日の天気予報は晴れだった。
季節の変わり目の寒暖差が、来週やって来るそうだった。
「雨」は、そう、確か…
彼女はオフィス街のビル群を抜け、住宅地の一角にやってきた。
どうやら、この付近に住んでいるそうだった。
“アジト”
聞き慣れない言語が、また、耳のそばを掠めた。
トッ
電波塔の頂上に留まり、周囲を見渡す。
見える?
彼女がそう言いながら指差したのは、超高層のタワーマンション。
60階くらいはありそうだった。
まあ、ここら辺にはよくあるビルだ。
入り組んだ空路(電気自動車が通る道)の連なる区画に、何本もの円筒形の建物が並んでいる。
『堺町 2丁目』
「オオサカ・ステーションシティ」の東側にあたる場所だ。
巨大商業区画が、駅のすぐ近くにある。
先週遊びに来たっけ。
友達と、映画を見に。
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