第23話



 「出してください!」


 「どこに行く気?」


 「学校です!」


 「真面目君だねぇ。1日くらいサボっちゃえば?」


 「ふざけてるんですか…?」


 「ここに来た以上キミはどこにも行けないし、それに、もう“手遅れ”」


 「警察呼びますよ!?」


 「警察が来るのが早いか、キミが死ぬのが早いか、さて、どっちでしょう?」



 やばい。


 目が本気だ。


 無理やりドアをこじ開けようとした。


 …けど、ダメだ


 びくともしない



 …どうすればいいんだろう…



 通信手段もなければ、脱出経路も無い。


 このまま僕は死ぬのか…?




 いやいやいやいや!


 まだ死にたくない!!!


 まだやりたいことだってたくさんあるんだ!


 新しい学校生活が始まって、新しい友達だってできた。


 今週の日曜日に生まれて初めて“トーキョーシティ”にも行く。


 フットボールの試合を見に行く予定だった。


 子供の頃から憧れてた選手を、見に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る