第16話


 「これから学校なんだけど!?」


 「死にたいんだったら、行けばいいけど」


 「死ぬ…??」



 フワッ



 ゆうに300mはあるであろう電波塔からの落下。


 思わず悲鳴を上げてしまった。


 高いところは苦手だったから。




 「うわああああああああああああああああああああああああああ」




 まさか、同い年(多分)の女の子に抱き抱えられたまま、バンジージャンプを経験することになるとは思わなかった。


 バンジージャンプっていうかただの「飛び降り」か、これは…


 怖すぎて顔を埋めてしまった。


 めちゃめちゃいい匂いがする。


 …というか柔らかい?


 視界の先には彼女の“胸”が…



 やばい



 なんかクラクラしてきた。


 意識が飛びそうだ。


 一体何でこんなことになってるんだ?


 地上があっという間に近づいてきて、死ぬと思ったその瞬間だった。


 彼女は傘のような開閉式のロッドを伸ばし、落下の途中でそれを開いた。


 ガクンッと体が持ち上がる感覚。


 引っ張られるような浮遊感。


 地面に着く頃には、落下スピードが緩和されていた。


 それでも、かなりの衝撃があったけど。

 



 さっきの怪物が何なのか、少女が言う「外」が何か、整理できないままアジトとやらに連れていかれた。


 高層マンションの34階。


 電子カードキーをかざし、部屋の中に入る。


 そこは、飾り付けも何もない無機質な部屋だった。


 生活していく上での必要最小限の用品と、服。


 少女は部屋に着くなり刀を立てかけ、シャワールームに入っていった。


 ソファにでも座っといてと言われたけど、でも…


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