ブルーアーカイブス

第10話


 ボタッ


 ボタボタッ




 刀から滴る血液。


 鋭い眼光。



 少なくとも、目の前にいる人間が「女子高生」であることを、僕は認識することができなかった。


 …いや、第一印象は間違いなく女子高生だった。


 風に揺れるスカートも、赤いリボンも。


 制服自体はここら辺の高校じゃなさそうだ。


 だけど、そんなことはどうでも良かった。


 彼女が何者であるにせよ、“普通じゃない”と思った。


 ただならぬ気配を感じていた。


 ただの人間じゃない。


 そんな、——“悪寒”を。



 「立ち上がれる?」



 …へ?


 呆然と見上げている傍ら、彼女は優しく囁いてくる。


 こういう時、どういうふうに返事をすればいいんだろう


 頭の中に掠めるのは感じたこともない緊張と、恐怖。


 

 へんな感じだった。



 いかにも強面でガタイのいいヤンキーが、突然笑顔で接してきた時のような…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る