第27話



 「ちなみに、私も「人間」じゃないよ?」



 …はい?



 …なんて?



 “人間じゃない”




 そう言った?




 「何その顔」



 自分がどんな顔をしてるかなんてどうでも良かった。


 耳を疑った。


 驚いたわけじゃない。


 なんて返していいかわからなかったんだ。


 突拍子もない言葉すぎて。



 「なんて言いました?」


 「人間じゃないって言ったの」

 

 「…ハハ。そうですか」



 面白いと思って言ってんのかな。


 だとしたらごめん。


 全然笑えない。


 そんな冗談言ってる暇があったら、この手錠外してくれないかな


 サイズが小さすぎて痛いんだけど…



 「信じられない?」



 信じられないも何も、意図がわからないんだけど?


 冗談にしては雑だし、状況が状況だしで

 


 「信じられないと思うなら、この銃で私を撃ってみたら?」



 さっきの銃を差し出され、引き金を引いてみろと促してきた。


 セーフティは外してある。


 あとは人差し指に力を入れるだけ。


 ——そう、囁いて。

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BLUE TONIC 【1巻】 平木明日香 @4963251

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