概要
日野村の長の娘である可瀬《かせ》は、中央豪族である葛氏の邸宅へ妻として上がる。しかし、夫となる真人《まひと》と対面すべく広間に来てみれば、そこにいるのは腐った黒い塊で……?
上品にごり押してくる強引系癒師《ゆし》と、それを雑に跳ね返す純情系祓い士との、妻見習いから始まる押したり押されたりの恋物語。
(カクコン9中間選考通過作品)
※物語の舞台となるのは、大和王権~飛鳥時代をモチーフとした架空の国となります。氏《うじ》名や地名・政治体制・思想文化などは史実と異なります。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!神々との絆が紡ぐ、運命の物語
この物語は、ただのファンタジーと思ったら大間違いやで。主人公・可瀬さんと癒し師・真人さんが、井田村で起きた奇病と祟り神の問題に立ち向かう姿を通じて、人々と神々との関係、信仰心の変化といった深いテーマに触れていくんや。
可瀬さんが祓い士として、そして真人さんの大切な人として、成長していく姿が丁寧に描かれてて、読んでるこっちも彼女の気持ちにどんどん引き込まれていくんや。真人さんの穏やかやけど、時に強い決意を持つ性格も、物語を通じてじわじわと魅力が伝わってくるで。
特に、地の神とのやり取りは、心にじんわりと響くシーンが多くてね。真人さんと可瀬さんが、地の神を救うためにどう行動するのか、その過程…続きを読む - ★★★ Excellent!!!和風じれ恋♡ 神様も絡んで、面白いですよ!
舞台は、古代日本。
ヒロインは、村の娘だが、「祓い士」として、悪霊を祓う力がある。
刀を持って戦う女子。かっこいいです。
ヒーローは、中央豪族の貴公子。甘い微笑みを浮かべるイケメンです。
豪族の権力で、妻として貴公子のもとに来させられたヒロイン。
(祓い士の能力が欲しかったのか。妻にすれば、無料で祓い士を使い放題という魂胆ね!)
と思ったヒロインは、
「妻にはなりません! 祓い士としてなら、仕事はします。」
ときっぱり言い放ちます。イケメン貴公子はたじろぎつつ、
「村には返さないよ。」
と宣言します。それもそのはず、このイケメン、実は過去、このヒロインと───。
はい、ここま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!はじめは妻見習いから!?祓い士の少女と癒師の青年とのじれ恋が楽しい!!
舞台は古代日本の和風ファンタジー。
主人公の少女《可瀬》が中央豪族の宅邸に妻として上がるところから始まるのですが……、なんと可瀬は結婚を拒否!そうして、癒師の青年《真人》とは妻見習いとしての生活がはじまります。
純真でありながらも意志の強い加瀬に対して、真人はぐいぐいくる強引系の青年。
この二人の掛け合いがとっても楽しいのですが、肝心な恋の行方も必見。サブタイトルにもあるように、じれ恋なのですがそこがいいのです!!少しずつ、すこ〜しずつですが、二人の距離が縮まっていく様子に目が離せなくなります。
さて、本作品は恋愛も和風ファンタジーもたのしめます。
加瀬と真人が暮らす《安万慈国》には…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どこまでも真っ直ぐな祓い士の少女の、恋と成長の物語
物語の舞台は、古代の日本を思わせる、架空の国。
神々がおわす国、安万慈《あまじ》国。
祟り魔を祓うことのできる「祓い士」の可瀬が、病や怪我を癒やす「癒師」の真人に嫁ぐところから始まります。
父親に言われて嫁いだだけの可瀬にとって、真人は初めて会う相手。時代も時代ですし、恋愛結婚ではありません。
真面目な彼女は、自分が妻にと望まれた理由をしっかり確認し、忖度ない発言を……と、このあたりで、可瀬の真っ直ぐで潔い性格に魅了されました。
凄く、素敵で、良い子なのです。
……ただ、恋愛に関しては、物凄く不器用。
初めが、初めだっただけに、だんだんと真人に惹かれていっても、素直な言動ができません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!強く純情な祓い士と上品ごり押し男子、祟り魔を祓い、恋を……⁉
飛鳥時代を思わせる架空の国が舞台。そこで祓い士の可瀬は、真人の妻になる、はずだったのだが……。
「大和王権~飛鳥時代」と聞いても、歴史の教科書にあった絵が数枚、ふわあっと浮かぶ程度の知識しかない私ですが、この作品の世界には色も空気も感じられるくらいに入り込んでしまいます。
強さと聡明さ、可愛らしさを持った可瀬も、何かを秘めていそうな真人も凄く魅力的。
きっとお似合いだから仲を深めて! という思いと、今の押したり引いたりの関係を楽しみたい! の思いの間で、毎回揺れ動いています。
会話のテンポがよく、軽やかで読みやすい文章なのですが、作者様の高い文章力に支えられた、背骨のしっかり通った「読…続きを読む