この物語は、ただのファンタジーと思ったら大間違いやで。主人公・可瀬さんと癒し師・真人さんが、井田村で起きた奇病と祟り神の問題に立ち向かう姿を通じて、人々と神々との関係、信仰心の変化といった深いテーマに触れていくんや。
可瀬さんが祓い士として、そして真人さんの大切な人として、成長していく姿が丁寧に描かれてて、読んでるこっちも彼女の気持ちにどんどん引き込まれていくんや。真人さんの穏やかやけど、時に強い決意を持つ性格も、物語を通じてじわじわと魅力が伝わってくるで。
特に、地の神とのやり取りは、心にじんわりと響くシーンが多くてね。真人さんと可瀬さんが、地の神を救うためにどう行動するのか、その過程で見せる二人の絆が、ほんまに美しいの一言に尽きるわ。神と人、運命に翻弄されながらも互いに支え合っていく姿が描かれていて、それがこの物語の大きな魅力やと思う。
読んでて、時にはドキドキしたり、時にはじんと心を打たれたりするけど、それでいて物語の終わりには何か温かいものを感じられる、そんな物語やで。登場人物たちが抱える問題や、彼らの心情に深く共感できるし、読み終わった後には、何か大切なものを思い出させてくれるような、そんな力を持った物語やと思うわ。興味がある人は、ぜひ一度読んでみてや。
ユキナ💞
舞台は、古代日本。
ヒロインは、村の娘だが、「祓い士」として、悪霊を祓う力がある。
刀を持って戦う女子。かっこいいです。
ヒーローは、中央豪族の貴公子。甘い微笑みを浮かべるイケメンです。
豪族の権力で、妻として貴公子のもとに来させられたヒロイン。
(祓い士の能力が欲しかったのか。妻にすれば、無料で祓い士を使い放題という魂胆ね!)
と思ったヒロインは、
「妻にはなりません! 祓い士としてなら、仕事はします。」
ときっぱり言い放ちます。イケメン貴公子はたじろぎつつ、
「村には返さないよ。」
と宣言します。それもそのはず、このイケメン、実は過去、このヒロインと───。
はい、ここまでよぉぉっ!
続きは本文を読んでね。
※台詞はイメージです。
バトルあり、じれじれの恋あり、神さまとは何ぞや? というテーマ有り、天皇からの依頼、◯◯を探せ、の謎有り。
脇役たちも、とても良い味を出しています。
クライマックスもどーん、と盛り上がります。
イケメン貴公子が、なかなか想いが通じなくて、悶絶してる様子がいとおかし。
読了後、満足感があります。
おすすめですよ!
舞台は古代日本の和風ファンタジー。
主人公の少女《可瀬》が中央豪族の宅邸に妻として上がるところから始まるのですが……、なんと可瀬は結婚を拒否!そうして、癒師の青年《真人》とは妻見習いとしての生活がはじまります。
純真でありながらも意志の強い加瀬に対して、真人はぐいぐいくる強引系の青年。
この二人の掛け合いがとっても楽しいのですが、肝心な恋の行方も必見。サブタイトルにもあるように、じれ恋なのですがそこがいいのです!!少しずつ、すこ〜しずつですが、二人の距離が縮まっていく様子に目が離せなくなります。
さて、本作品は恋愛も和風ファンタジーもたのしめます。
加瀬と真人が暮らす《安万慈国》には古き神々がいますが、同時に異形の存在である祟り魔も存在します。
加瀬は祟り魔を祓うのが役目であり、真人は怪我や病気の人を癒すのが役目。そして人の病は祟り魔が原因なこともあり、加瀬と真人は私生活だけではなく仕事上でのパートナーでもあります。
いわば政略結婚から(でも妻見習い)はじまった加瀬と真人。
二人の恋愛はもちろんのこと、神々と人の共存と信仰、加瀬と真人を取り巻く人々などなど、この先はどうなるのだろう?とわくわくドキドキする物語をぜひご覧になっていただきたいです。
物語の舞台は、古代の日本を思わせる、架空の国。
神々がおわす国、安万慈《あまじ》国。
祟り魔を祓うことのできる「祓い士」の可瀬が、病や怪我を癒やす「癒師」の真人に嫁ぐところから始まります。
父親に言われて嫁いだだけの可瀬にとって、真人は初めて会う相手。時代も時代ですし、恋愛結婚ではありません。
真面目な彼女は、自分が妻にと望まれた理由をしっかり確認し、忖度ない発言を……と、このあたりで、可瀬の真っ直ぐで潔い性格に魅了されました。
凄く、素敵で、良い子なのです。
……ただ、恋愛に関しては、物凄く不器用。
初めが、初めだっただけに、だんだんと真人に惹かれていっても、素直な言動ができません。
――いえ。逆に素直(ストレート)すぎて、真人に大ダメージを与えることも……。
読者としては、ふたりのやりとりは実に微笑ましく、そして、ちょっともどかしい。そこが良いのです。
この世界では、人の病が祟り魔と関係することがあり、癒師の真人は常に危険に晒されているような状態です。だから、祟り魔を祓える可瀬は、いわば「バディ」です。
恋愛面では、まだまだギクシャクのふたりですが、癒師&祓い士として、活躍するふたりは息がぴったりで、読んでいてワクワクします。
しかも、文章から垣間見える光景が、とても美しい!
――ですが、「祟り魔=悪いもの、倒せばよい」というわけでもないのです。
神々がおわす国らしい、いろいろと複雑な事情が……。
じれもだの恋物語であり、神と国を背景に「正しいこと」ってなんだろう? と、可瀬と一緒に考えずにはいられない、成長物語でもあり。
読んでいて、いろいろな方向に興奮しまくる、毎回の更新が楽しみな作品です。
飛鳥時代を思わせる架空の国が舞台。そこで祓い士の可瀬は、真人の妻になる、はずだったのだが……。
「大和王権~飛鳥時代」と聞いても、歴史の教科書にあった絵が数枚、ふわあっと浮かぶ程度の知識しかない私ですが、この作品の世界には色も空気も感じられるくらいに入り込んでしまいます。
強さと聡明さ、可愛らしさを持った可瀬も、何かを秘めていそうな真人も凄く魅力的。
きっとお似合いだから仲を深めて! という思いと、今の押したり引いたりの関係を楽しみたい! の思いの間で、毎回揺れ動いています。
会話のテンポがよく、軽やかで読みやすい文章なのですが、作者様の高い文章力に支えられた、背骨のしっかり通った「読みやすさ」です。
二人がこれからどうなっていくのか、楽しみに読ませていただこうと思っています!