第3話 俺が、壊れるとき
ガチャッ
やっと我が家に帰ってきた俺は衝撃の事実の発覚で疲れた心身を抱きしめて貰おうとマイ布団にダイブする。
あぁ、布団は優しい…。独りぼっちの俺をいついかなる時もどんな時も黙って受け止めてくれるのは布団しかいない!そう確信する。
「アンタ、一人暮らしなのに部屋綺麗なのね。感心するわ。」
…まぁ、当然の様についてくるヤツが一匹。
もう、俺は驚き疲れたよパトラッシュ…
「あぁ~お腹が空いてきたわ~。アンタ、今日の晩御飯はなに?」
凄いなこの人。今日出会った人の部屋に無許可で入り晩飯まで要求するなんて
見た目からして同じ星で生まれた人ではなさそうなのは何となく分かるが宇宙人かなにかか?
「晩御飯って…。その前にまだ聞きたいんだがノルンさんは何者だい?宇宙人か?」
「ぷっ!宇宙人って宇宙人が転生させれる訳ないでしょ!天界人よ!天界人!」
もう驚く事はないと思ってなかったけど訂正しよう。まだまだこの世界は驚きに満ちてるらしい。
「天界人?あの天使とか、神とかがいる世界か?あんなの人が創作した話の中だけかと思っていたが…」
「そう、それよ。天界って暇でね。そんな時に思いついたのよ!人間に天界の力を分けたらどう使ってくのだろうてね!それで適当に人類にメールを送ってあのボタンを連打して押してたのがアンタってわけよ。だから面白そうだらアンタ選んだわけ!」
「暇つぶしで人一人の人生変えるなんてスケール大きすぎいへん?てか、天界ね~。あるなら行ってみたいね。俺でも行ける方法あるのかい?」
「今はまだ無理ね。もっと世界がファンタジーよりになれば人間でも行ける様になるかもね。」
はたから聞いてたらゲームの話かなにかにしか聞こえないが慣れとは怖いものだ。最初こそ驚きの連続だったが、こうも現実離れした話が続くと不思議と飲み込めている俺がいる。
「それでこのスキル<ご都合主義>を使い続ければそのファンタジーの世界になっていくわけか…」
影響ね…。確かに昔はRPGみたいな世界にいって魔王倒して姫様と結婚とか憧れたが今更あの世界に憧れもないしむしろ、ネットもなく道も補整されてないなど今の日本と比べたら生活不便そうだし。だが、このスキル自体は便利そうだ。なるべく影響でない程度にこのスキル使っていこうか。
「ちなみにスキル使う度に力も増していき世界に与える影響も大きくなるから影響でないのは無理ね。」
「え?なぜ分かったんだ?天界人は心読めるのか?」
「アホ!!アンタ、全部声にでてんのよ!ちなみにそのスキル、オートで発動するから♪オンオフなんてつまらない機能ついてないわよ。」
「はぁ!?オートだと!?」
「もっと正確に言えば、アンタがこうなって欲しいという思考に反応して今のアンタの力の範囲内でそれに応じれる形で叶えれるなら発動する全く無理なら発動しないみたいな感じね。」
「なんだそのスキル都合良すぎだろ!」
「ご都合主義だからね」
「アホか!」
なんて事だ!!利用するどころか、振り回される事になりそうなんて!今頃、ドラゴンとか魔法とかギルドで仕事とか言われても生きていく自信ないぞ!
「ちなみに、転生した挙句、スキル使って世界に影響与えた者が元の世界に帰れるとは思わない事ね。」
「畜生!!また声が漏れてたか!」
ドゴッ!!
「また吠えるな!うるせーぞ!!」
ドゴッ!!!
「やかましい!こっちはそれどころじゃない!!」
隣の人(…え?初めて壁を殴り返されたわ。こわ…)
俺は焦りだしていた。どうするこのスキル?なんとかして今の生活を世界を維持するにはどうする――
「ね~。今日の晩御飯どうするの?出前とる?」
――――そうだな、とりあえず晩御飯でも考えてからにするか
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