第11話 悲劇体験!アンビリバボー!!
コツ、コツ、コツ、
俺たちは階段を上がっていく
建物が中世風になったとは言え、入り方や階段の位置等は大きく変わってなかったから自分の住んでる部屋まではスムーズに行けそうだ
「外観や素材は変わっているが構造はあまり変化無いんだな。」
「スキルの影響とはいえ、あれぐらいで三階建てのアパートが五階建てになったり門が何個も増えたりしないわよ。」
「なら、この元豆腐建築のアパートはお洒落に目覚めただけか。」
「考え方が、メルヘンチックね。」
そんな事を話ながら俺たちは、202号室の扉の前に着いた。扉は木の素材に変わっている…
「…早く開けなさいよ。」
「不安なんだよ。中がどうなってるか…」
「たいした変化してないわよ。多分。」
「本当か?開けたら、ドラゴンとかでてこないか!?」
「ドラゴンはまだ無いでしょ。植物とか大きな虫が襲ってくるレベルよ。」
「さてと、漫喫にでも泊まりに行くか。」
命は大事に。自ら死地に行くこともなかろう。
「冗談よ。仮に襲われたら全て撃退してやるわよ。」
「さすがノルンの姉御だぜ!俺をビンタで吹っ飛ばした化け物の並みの怪力!その筋肉ゴリラみたいな佇まい!頼もしいぜ!」
バチゴンッ!!!!ドカシャ――――ン!!!!
豪快な音と共に、俺は木の扉を壊しながら部屋の中に吹っ飛んでいく、「ダイナミック入室」を決めるのである
「…で、誰が化け物でゴリラだって?」
扉の外には、金剛力士像みたいなノルンがいた。俺の人生もこの世界も終わりである
「しゅ、…しゅみ、しゅみまぜ、ぜんで…びぃた…!」
俺は、ノルンに顔を殴られて虫の息になり、全身から血が流れ、涙も流れる。けど、なんとか謝罪する。心から謝罪する。人生で一番謝罪をする。
「ふんっ‼感謝しなさい、手加減してあげた事に‼」
「ふぁ、ふぁい…。」
これで、手加減かよ…。普通、死ぬぞ。と思いながら、俺の人生もこの世界もまだまだ続きそうである
「見た感じ特に、変化はないみたいね。良かったじゃない。襲われる心配もなくて。」
それは、不安が無くなって良かったよ。けど俺は、今でも死にそうな程ボロボロです…救急車、お願いできますか?っと床で悶えてる依然、全身傷だらけの俺。
「いちいち世話のかかる男ね。ほら。」
そういうと、ノルンは俺の体に方に向けて両手を開く。
すると、ノルンの両手から緑色の光りが現れる。そして、その光に当てられた俺の傷口は、みるみる塞がっていくのである。
「凄い!傷がすぐに治っていく‼これは、スキル<回復>ってとこか??」
「違うわ、スキル<治癒>よ。」
「そうか!けど、本当に助かった~。ありがとうノルン!まるで、天使だな!」
そうノルンに言いながら俺は、床から立ち上がる!
「天使じゃないわよ。それに調子乗らない事ね。痛みはそのままだから。」
そうノルンに言われながら俺は、床に転がり込む!
「いってぇぇぇぇ‼‼それをはやく、言えや‼‼‼」
「アンタ、すぐ調子乗りそうだからね。あえて残したのよ。反省しなさい。」
「は、反省します…。」
コイツは、俺のお母さんか!って心の中で思い、ヒィヒィ言いながら匍匐前進して布団にたどり着く。痛みは少しずつ引いてきた。
ふと、部屋を見渡したらノルンがいない。トイレか自分の部屋に入ったかと思っていた時に、ノルンがトイレの扉の前で固まっているのが見えた。
なんだ?うんこを流し忘れてたか?それか、さっきの騒動でトイレも壊してたのか?と思ってた時、
「ト、トイレがダンジョンになってるわ…」
俺は、ノルンのその一言に、先ほどの痛みはどこへ行ったのか?って程に全力で立ち上がり素早くトイレに駆け寄る。
嘘であってくれ!本当なら、このまま漫喫や!って思いながら―――
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