第19話 速報!バトル☆メン
「もう、ダンジョンに入り始めて3時間ぐらい経ったな…」
「道理で、お腹が減るわけね。」
「あぁ、そうだな。そろそろどっかで休憩するか?」
「そうね。アンタも、だいぶボロボロだしね。」
「えぇ、お陰様で…」
あの後も、通時達はモンスターの襲撃にあったり、崖を登ったりした
その度に、モンスター達の囮の為にあっちやこっちに放り投げられたり、登る為に放り投げられ、地面や、壁に叩きつけられる通時。モンスターの攻撃を受けてないのにその身体は、ボロボロである
(危険や困難を排除してもらってるとはいえあと少し、優しさというか配慮は欲しいよ。こっちは普通の人間なんだぜ、ノルンさん…。)
そう心で呟きながら、休憩場所を探しだす通時
これ以上、この状態が続くならお宝見つける前に死んでしまうっと思ったその時、
「なんだ?なんか奥の方が明るくないか?」
「え、嘘?洞窟に光?」
「おい!ノルン来てみろ!外だ!洞窟の中に外がある!」
その発見に驚きの声を挙げる通時。ノルンも駆け出して見に行く
「信じられない…。本当に外みたいに草木が生えてるわ…。」
「ああ、上見てみろよ。大穴が空いてるわ。ここだけなにかあって、穴が開いたんだな。」
「それで、その穴から植物の胞子が落ちてきてここだけ、外みたいになったぽいわね。」
「そうだな。良し!ここで休憩しよう!風景もいいしな♪」
そうして、あの時から巻いていたロープを外そうとした時、―――
「外すな、通時‼‼」
ノルンが大声と共にロープを引っ張り、宙に舞う通時
それと同時に横から何かが壁を壊しながら突撃してくる‼‼
ドゴ―ン‼ガラガラ‼ガラガラ‼
壁が壊れ、土煙を巻きながら何かが現れる
それと同時に、ノルンも一気に距離を置き、通時も地面に叩きつけられる
「し、死ぬ…。急にどうしたノルン?」
そう、顔を上げると真剣な顔のノルンがいた
「現れたのよ。」
「え?もしかして…」
ノルンの目線の先を見るとそこには、大きな角を二本もち、顔から背中にかけて伸びる黒いタテガミ、全身紫色の体毛の像三頭分はありそうな大きさのモンスターがいた
「な、なんだコイツわ…。ゲームで、でてくるベヒーモスまんまじゃないか…。」
「お、終わりだ…。し、死ぬ。」
あまりの衝撃と恐怖に腰が抜けて、尻餅ついて動けなくなる通時
「の、ノルン、に、逃げよう!勝てる訳ない!お前のスキル<一時撤退>で逃げよう‼」
「逃げる?コイツと戦うために私は来たのよ?ヤルに決まってるじゃない。」
「戦闘民族発言もいい加減にしろ!あの大きさ見てみろ!死ぬぞ‼…ノルン?」
そこには、辞める気が一切ない戦う気満々なノルンと、こちらの動きを伺ってるベヒーモスがいた。その両者の気迫に悟った通時
「…分かったよ。勝てよ。」
「勝つわよ。」
そう、ニッと笑いながら言い、ヘビーモスに近づいていくノルン
それを見て、さっきまでの恐怖は何処へやら。やれやれっと思いながら腰を上げ離れる通時
「フシュ―。フシュ―。」
っと息を吐き、爪で地面を掻き出したベヒーモス
静かに構えだすノルン
いよいよ始まるのかとドキドキする通時
そして―――
ヒュウン―
先に動いたのはノルン。そのまま一気にベヒーモス懐に飛び込む!
そのノルンの動きに合わせて大きな左腕の爪で切り裂こうとするベヒーモス
だが、ノルンはそれを読んでた様に飛び上がり、そのまま顔面に拳を叩きこむ
決まったかと思われたが、右腕に力をいれ後方に飛び回避するベヒーモス
両者、着地した時には仕切り直しの状態になっていた
「すげぇ…。あの爪を避けたノルンも凄いが、ノルンの拳をあの態勢から避けるベヒーモスも凄い…。」
「私の拳を避けるとは、まずまずね。」
「なら、これなら?」
そうノルンが言った後、さっきより速くまたベヒーモスに飛び込む
その速さに対応するようにベヒーモスもまた左腕で切り裂こうとする
それに合わせて今度は、右に避けつつ脇っぱらに移動し、蹴り上げる
さすがに避けれずベヒーモスが蹴り上げれて宙に浮く!
「よう、あんな巨体を蹴り一つで上げれるな…。うん!?」
そのまま、ノルンの追撃が続くと思われたが、ノルンが少し離れる
蹴りが脇に入ったのに直ぐに着地して態勢を整え息も変わらないベヒーモス。
「ノルンの蹴りを食らってまるで効いてない!」
驚く通時
「思ってたよりやるじゃない…。」
ノルンの蹴りで宙に浮いたと思われていたベヒーモスは、実はノルン蹴りに合わせて地面を蹴り上げて飛んでダメージを最小限に留めていたのであった
「フシュ―、フシュ―。グルル…グォ!」
そう吠えると次はベヒーモスがノルンに突撃する!
ノルンも素早く右に避ける!だが、右に逃げると分かっていた様にベヒーモスが右腕で攻撃!
さすがに、避けきれずにノルンはガードするがベヒーモスの力で吹っ飛び地面に叩きつけられる
「ノルン‼‼」
思わず叫ぶ通時
通時の叫びは虚しくベヒーモスの追撃は止まらず、左右の爪で攻撃をし続けるベヒーモス
あのノルンが一方的に攻撃され続けるなんて、やっぱり逃げるべきだったんだ止めとくべきだったと後悔する通時
「ノルン‼くっそぉぉぉ‼今、助けに行くぞ!」
そう、通時が飛び出そうとした時、
「調子に乗るんじゃないわよ…。」
ズワァァァァオオン‼‼
激しい音ともにノルンがいた場所から赤い炎のようなオーラが昇る!同時に、土煙が舞い辺りにあった石などが吹っ飛ぶ
そのオーラに近づこうとした通時も足が止まり、攻撃をし続けたベヒーモスもすぐにその場から離れ、距離をとる
「いったい何が起きてる!?ノルンは大丈夫なのか!?」
「グルルルル」
戸惑う、通時とベヒーモス。そして辺りが静まりかえりそこには、赤いオーラを発しってる人物
「ノ、ノルンなのか?」
戸惑いながら疑問を投げる通時
その声に、ノルンは通時に軽く振り返る
「そうよ。」
そこには、多少、服が刻まれているがツーサイドアップだった髪がポニーテールになり紅い髪はより紅くなり顔も真剣になっているノルンがいた
「本当にノルンなのか…?外見が変わってまるで、スーパーサイ〇人みたいだな…。」
「まぁ、違うけどそれに近いかもね。」
「そうか。何だかよく分からんが、お宝もういいからとにかくもう逃げよう‼」
「逃げる?馬鹿言うんじゃんないわよ。」
「けど、実力差が―――!」
そう、言いかけた時、ノルンが視界から消えた。それと同時に、ドゴ―ンっと音が鳴り響きベヒーモスが吹っ飛び壁にめり込む
「久しぶりに、戦えるヤツと出会えたんだから楽しませなさいよ。」
その光景に、唖然とする通時
「ノルンの動きが見えなかったし、強くなっている…」
「グォォォォォン‼‼」
けたたましい吠え声と共に吹っ飛ばされたベヒーモスも壁から現れる!さっきまでとは違い明確に殺気を発する
「ついに両者本気になったかのか!?ここからが本番か…、付いていける気がしないな…」
本気で殺る気になったノルンとベヒーモス。それを見守る通時
戦いは次回に続く‼
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