第17話 THE突破ファイル
「バゥバゥ!」「グオォン!」「ガォン!」
あちらこちらから聞こえる、モンスター達の吠える声と、無数の鋭い牙や爪がノルンに飛び掛かる‼
シャッ
その場で地面を蹴り、素早く真上に飛び上がるノルン。その動きに着いてこれなく、ノルンを見失い、さっきまでノルンが居た場所に集まるモンスター達
ギュイン‼
高く飛び上がっていたノルンは、モンスター達が真下に集まった事を確認すると一気に、急降下する。
ドゴォン‼‼
ドガガガガガガガッン‼‼‼‼
急降下したノルンは、その勢いのまま地面にかかと落としを炸裂させ、その破壊力に耐え切れなかった地面が崩壊していく!
「ギャイン!」「キャン!キャン!」
地面が破壊された事により足場が崩壊したり土に飲み込まれていく逃げ遅れたモンスター達。先ほどまで威勢が良さはなくなり、助けを求めて叫び慌てだす
ヒュン―
モンスター達が混乱して動けなくなるチャンスを見逃さず、地面に飲み込まれなかった離れてたモンスター達に速攻で近づき襲撃するノルン
ドガ!バキ!ズカン!バキャン!ドゴン‼
片っ端から近くのモンスタ―達に、拳や蹴りを浴びせるノルン
残っていたモンスター達も態勢を整え、迎え撃とうとするがノルンの圧倒的な速さと力についていけずなすすべなく一撃で駆逐されてくそして―
ノルンがかかと落としで地面を崩壊させてから30秒。
50匹以上いたモンスター達は動かなくなり立っているのはノルンのみ…
「やはり居たわね。この道の奥に…。」
「まぁ、この私がわざわざ、大きな音を起てて派手に殺ってやったんだもん。反応して貰わなきゃね♪」
そうして戦い終えたノルンは、どこか機嫌が良さそうである
「な、なんちゅう女だ…。あれだけの数のモンスターを殺したのに、無傷なのはもちろん、これだけ血があふれてるのに返り血を一滴も浴びてない。力どころか速さも持ち合わせてるのか…。」
やっと、岩陰から顔をだす通時。あの時ノルンにロープを引っ張られ投げ飛ばされた通時はそのまま軟かな土の上に落ちて一命を取り留めたのである。しかも、ノルンのかかと落としの崩壊範囲にも届かなったので巻き込まれる事もなく助かったのである!
そんな都合の良いばかり起きた通時は、すぐに態勢を整え近くにある岩に移る。移った岩陰から顔をだして見てみれば大きな音ともに崩壊していくさっきまで自分が居た場所や、あっちやこっち吹っ飛び岩に叩きつけられ血を流し悲鳴を上げてくモンスター達。
何が起きてるかついていけず、ボーと見ていたが、ノルンはどこだ?って思い見渡す。見つけてみれば沢山の屍の上に一人立っているノルン。…ここは地獄かな?
「うん?あぁ、あんな所に居たんだ。お~い!もう、大丈夫よ!」
そう、手を振りながら大きな声で通時を呼ぶノルン
どうやら、通時の存在に気がついたらしい
「はぁ、はは。お陰様で生きてます…。」
っと苦笑いしながら岩陰から出てノルンの元に向かう通時。
「どうよ、私の作戦!うまくいったでしょ♪」
「死ぬかと思ったわ。しかもこんなに圧倒的に強いなら作戦いらんしここまで派手にやる事もなかっただろ?」
―――時は少し戻り、ロープを通時に結んでる時に戻る
「アンタ上についても、しばらくはロープを緩めるんじゃないわよ。」
「は?なんで?」
「上に沢山の気を感じるわ。」
「気ってお前、ドラゴン〇-ルかよ…。」
「最近、知ってはまってるの♪面白いわよね~♪」
「俺が会社いってる時、お前がどう過ごしてるか分かってきたよ。」
呆れる俺を気にせずに、ノルンは話を続ける
「だから、あっちこっち探しにいくより一網打尽にしたいじゃない?」
「つまり、一気に敵を集めるために俺にエサになれと?」
「アンタにしては頭が回るじゃない。」
「そりゃ、どうも。それは良いとして俺の命は保証してくれるんだろうな?」
「案外乗る気じゃない。まぁ、そこは安心しなさい!保証するわ!」
(そりゃ、断ってもどうせその時になればやりそうだしな。それに下手に刺激してノルンの機嫌悪くなり拳が飛んでくるのも困る)っとノルンの事を理解しだす通時
―――そんなやり取りがあった通時とノルン
ここにきてだんだんとお互いの事を理解してきたのである。だが、本人達は自分が、相手の事を理解してきてる事には気づいてるが、相手もまた自分の事を理解してきてる事には気が付いてない
「まぁ、そこはあれよ、あれ!アンタに私の強さを見せつけてやろうと思ってね!どうよ、私の強さ!?」
「あぁ、お前の強さは今頃、証明しなくても、もう既に充分知ってるよ。」
「そ、そう?スキルを使わずに見抜くとは、アンタもなかなかやるじゃない!」
っと、誤魔化すノルン
ノルンの強さなんて巨大な岩をノーモーションで壊してる時点で気づいてるよ。それに、強さを証明するだけなら、あんな派手に音を起てて戦う必要ないしな。別の狙いがあると思うのが自然だろう。例えば、俺以外の誰かにアピールする為とかか?っと立ち止まって考える通時
「ぐぇ!?」
「いつまでそこに居るのよ。早く行くわよ。」
「急にロープ引っ張るなよ!俺は犬かよ!」
「う~ん。それは、犬に失礼ね。」
「し、失礼って。俺は犬以下…。これ、取っていい?」
落ち込みながら、ロープを指さす通時
「良いわよ?その代わりモンスターに襲われる度に蹴り飛ばす事になるだけだし。」
「安全な場所まで止めてきます…。」
そうして、ダンジョンの奥に進むノルンと通時だった
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