第5話 ようこそ異世界へ

ガチャ


俺は部屋に入りそこにはいつも通りの光景が広がり、いつも通りにマイ布団に抱きしめて貰い、いつも通りに眠りにつくそう思っていた。


「何か部屋に違和感を感じる…。」


部屋に入った俺は辺りを見渡し、何となく物の雰囲気が変わっているのを感じる。

――――部屋を間違えたか?


そう思い俺は部屋を出る。そして、俺の部屋の番号を202号室か確認する。


―202号室―


そう看板に書いてあった。…合ってるな。


改めて自分が見間違えたんだ。疲れすぎてるだけと言い聞かせて部屋に入る


「―――…プラスチックの素材が…消えた…?」


そう。この部屋にあった、棚やコップ、ゴミ箱などのプラスチックで作られていた物が別の素材に置き換わってるのである。

プラスチックの棚やごみ箱は木材の棚やゴミ箱に変わり、コップはガラスに、捨ててあったペットボトルは瓶に変わっている。ゴミ袋も布に変わっている…

しかも、壁紙で覆われてた部屋の壁が石材に変わりまるでハ〇ルの動く城に出てくる部屋みたいになっている。


「おっ!スキルの影響がさっそく出てるわね。良かったわね私が貸したスキル、しっかり発動されてるわよ♪」

「良くないわ!こんなに早く反映されるのか?しかもスキルで、叶えてもらった事と影響差が大きすぎんだろ!一部の物から変わっていくと思ってたわ!」

「そりゃ、他人が私の外見に違和感抱かないよう周りの認識を変えるために私がスキルを発動したもの。」

「はぁ!?なんで貰った俺のスキルをノルンが発動できるんだよ!?」

「正確に言えば、私のスキルをアンタも使えるように契約してるだけよ。」

「え?なに共有なのこれ?しかも契約なら切るとか出来るんじゃないの?」

「それはできないわね。天界での誓約があってね、一度人間に自分のスキルを使えるように契約をした場合、その人間が死ぬまで契約を切る事はできなくなるわね。あと、私がスキルを発動する場合、常時オートじゃないからそこは安心して。」

「おい、今気になる事を言ったな。まるでスキルのオンオフができるみたいな方法があるような事を言ってないか?」

「できるに決まってるじゃない。スキルの権限は私にあるんだし、ある程度使い勝手の調整はできるわよ。まぁ、影響までは制御できないけどね。」

「できるわよじゃないわ‼ただでさえ。ふざけたリスクがあるのにふざけた発動条件な上に、よくゲーム機にある、保護者と子供のような権限の関係とか勘弁してくれよ!」

「ふざけた、ふざけたってなによ!!!!アンタに与えたの凄いレアのスキルなのに、アンタが発動した内容の方がふざけてるわよ!!!!」

「アホか‼オート発動だから止められないだろうが!それにそう思うならオート発動辞めろや!」

「嫌よ‼そんな事したら私がつまらないじゃない‼」

「アホか、チクショウ‼」

「もう!器の小さい男ね‼それに、アホなヤツにアホと言われたくない‼もういい‼部屋に戻るわ‼」

「おぉ‼帰れ帰れ‼俺も、もう寝るわ‼…って、ノルン、出口はあっちだぞ?なんで壁に向かって行くんだ?」

「なんでって、この扉の向こうは私の部屋だし。」

「と、扉!?なんで!?」


俺は、ノルンのその一言を聞き驚く。何故ならこの部屋は1Kなのだから

だが、驚く俺を横にさも当然の様にノルンは話を続ける


「だって私、アンタと契約してるんだから死ぬまで離れられないし、だったら近くにいたほうがなにかと便利じゃない。」

「嘘だろ、おい!?勝手に部屋が増築してる上にしかも死ぬまで思考回路吹っ飛んだ女と一緒とか勘弁してくれよ‼」


バチンッ!ドガンッ!バタンッ!


そうしてノルンは部屋に入っていた。俺は、ブチギレたノルンに本日二回目のビンタをくらいふっとばされ壁に叩きつけられていた

思考も吹っ飛んでる上に力も吹っ飛んでるとか天界人、ヤバすぎることを確信した俺は、今の現実と今後の生活に絶望したのであった


―――もう、平安な日常は訪れそうにないことに



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