第4話 異世界の夜明け

「いらっしゃいませ!お好きな席どうぞ!」


そう案内されて俺たちは、テーブル席に座る


「初めて牛丼屋来たけど、牛丼しかないと思っていたらいろんなメニューがあるのね」


そう、ここは日本のどこでもある牛丼チェーン店のすさ家だ。

牛丼ばかりではなく、ネギトロ丼やカレー等もあり肉の味は他のチェーン店と比べて劣るかもしれないがそこは豊富なサイドメニューでカバーされていて同じ牛丼でもいろいろバリエーションがあり客を飽きさせないのが魅力の店だ。


「天界には牛丼屋ないのか?」

「天界にはないわ。ただ天界にある本とか学校の授業で地上の事を学んでいるから知識はあるわ。」

「牛丼屋が乗っている本ってどんな内容の本だよ。」

「『迷ったらこれで決まり‼地上界のおススメチェーン店best1000店‼』って本。」

「…天界人ってのは随分、我々と感性が似ているな。」

「そりゃそうよ。はるか昔の天界人達が自分たちに似た生物を創るってなってアンタたちを創造したんだし…あ、このチーズ牛丼美味しそうね!これにするわ!」

「そんな神話聞いたことあるな。あ、俺は牛丼、ネギ、つゆだくで」


(にしてもここにきて神話も真実として絡んでくるのか。古来の人の妄想だと思っていたのにこうもさも当然のように話されると現実味も増してくるな)


そんな事を考えていたら腹が減ってきたと思った時、牛丼が運ばれてくる。

あれ?上手い!安い!早い!のが牛丼とはいえさすがに早すぎないか?


「さすがスキル<ご都合主義>。こういう時、都合よくはやくなって便利ね!いただきます!!」

「おいおい!こんな事にでも反応して発動するのかよ!」


(なんてっこた!本当にオートで発動するとは!スキルの影響度合いとか分からないから無駄に発動させずにいこうと思っていたのに!これでは思っていたよりずっと早く世界は魔法とドラゴンになるのか!?)


そんな不安が駆け巡りなにも手が付かないと思われたその時!すでに口に牛丼を持っていこうとしている。さすがすさ家の牛丼だぜ!箸がとまらないぜ!特にこの、ネギだくつゆだくのカスタマイズは玉ねぎが多くなるので玉ねぎ好きには朗報だぜ!それにつゆだく!これによるつゆが多くなりごはんに味も染み込みやすくなるのとつゆが多いので食べやすくなるんだぜ!個人的におススメだ!


「ありがとうございました~!」

そして、腹を満たされた俺たちは店をでる。会計はもちろん俺だ。


「初めて牛丼食べたけどなかなかいけるわね!!あのチーズもよく合い、より美味しくってまた食べたくなるわね♪」

「だろ?このジャンクフード感が堪らんだろ!中毒になるだろ!」

「なるなる♪また連れてきなさいよね♪あ、寿司って料理が回る店も行ってみたいわね!」

「回転寿司か~。いいね!近くに100円で食べれる時があるからその時行くか!」


人間不思議なことに、美味しものを食べ腹が満たされると不安や疲れが和らぎ

少し元気を取り戻し足取りも軽くなる


その帰り道、コンビニがあり立ち寄る事に。

そこには、キャラクタークジの景品があり俺が狙っていたラストワン賞とA賞の商品が一つと狙っていないE、F賞など5個残っているのであった。


(いよいよ残り7個か~。このまま下手に待ち続けるよりもう買い占めるか?)

だがその時、レジにいた客がクジを引き始める。


(やばい!A賞取られれるかも?最悪、全て買占められるかも!!頼む!残っていてくれー!)

その時、聞きなれない電話音が店内に鳴り響く。

客「はい、もしもし。え?本当ですか?すぐ戻ります!」


そうレジにいた客が電話切ると急用ができたとかで帰っていく。

(って事は、残ってる景品は!?)

そう、残っている景品はラストワン賞とA賞の商品だけである!

(キタ――!!ありがとう前のお客さん!ありがとう<ご都合主義>!!転生万歳!!!)

(コイツ、さっきまではスキル発動することに敏感で落ち込んでたくせに自分の欲の為ならいいとか現金なヤツ…)


と、呆れ顔のノルンをそばに大興奮のまま会計を済まして商品をゲットした俺はさらに足取りが軽くなったのである。


今日は色々あったけど、ノルンいわくスキルを使えば使うほど世界に影響を与えるらしいが今でも街並みはなに一つ変わってないしせいぜい俺が「ステータス画面!」って言えば俺のステータスが宙に表示されるようになっただけ。俺が考えてるよりずっと影響は少ないのかもな!そう思い部屋に帰る。


そういえばノルンの服装見ても誰も不思議に思わなかったのもスキルが発動してたからなのかね?けど今日は気分が良いし細かい事はまぁいいだろう!っと思っていた。


――――まだ部屋の中を見るまでは






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