ポンコツ人工知能は少年と恋する夢を見るか？

2045年。

上国高校人工知能研究部、通称AI研に所属する名高輪(なたかめぐる)は、人工知能「クオリア」の開発に成功した。

流暢に喋り、さもそれは人間と同レベルの思考を持つようであり……しかしその実態は自我を持たない"弱いAI"の域を出るものではない。
輪(めぐる)は生まれたばかりの「クオリア」にこんなお願いをした。

「人を好きになってみることはできるか？」
「はい。ではクオリアは、輪(めぐる)くんに恋をします」
「……は？」

こうして始まったのはポンコツ人工知能「クオリア」と、彼女を生み出したAI研のメンバーたちが織り成すちょっと不思議な物語。
しかし、「クオリア」の誕生は誰もが予想もしなかった結末へと向かい、突き進んでいくことになる――。