天然刑事Ⅰ

　天山署の捜査一係に勤務する女刑事、白峰流石(しらみね さすが)は、度胸も行動力もある立派な刑事だが、俗にいう天然ボケで、今日も署長室に呼び出されていた。証拠の品を忘れたり、道に迷ったりとミスが続き、懲罰委員会の裁定で教育係を呼んで研修を受けることになった。
　その日の夜、流石は、裏道グルメ研究会の例会で、無国籍料理の「地球屋」でタウン誌の編集長曽根崎とアイドル料理研究家のウタポンと会う。いろいろうんちくを聞き、おいしいものを食べ、天山スタジアムで行われるエスピオと言うロックグループのステージを知る。
　エスピオの大がかりなスペースオペラロックの舞台の影で、入場チケットをめぐり、薬剤の入った酒を使った殺人未遂事件が起こる。
　ステージ終了後、駆けつける流石とウタポン。だが、これは五連続して起…続きを読む