2章 一年目5月上旬

第1話 恋の悩み


許嫁の有明 暁都が外国から帰ってきて1ヶ月が過ぎ5月に入った


皆乃川 恋は

「はぁ………」

自分の部屋の窓辺に肘をつき絶賛悩んでいるのだ


それもそのはず二年ぶりに会ったあの日以来


暁都は外国に行っていた間にどうしても溜まってしまっていた膨大な仕事により伯爵邸に缶詰状態。


皆乃川の屋敷には訪れることができていない。


半月ほど前に[仕事を終え次第すぐにでも許嫁殿に会いに行く]と言った内容の手紙が来て以来音沙汰はなし。



この二年、暁都にふさわしい許嫁になるために色々と考えていたのにそれも水の泡


何より________


「……暁都様に……会いたいです。(外国に行っているときはお手紙でやり取りをしていたのに帰ってきて同じ国にいるのに。以前より近くにいるのに文通もままならないなんて)」


これに尽きるのだ。


許嫁と言っても色々あるもちろん親同士の約束で好きではない相手と結婚することもあれば

好きな相手が許嫁。許嫁になって関わりを持っていくうちに好きになったなど


恋は後者だ


その恋愛をする少女を後ろからそっと気づかれないようにみる二人の大人


「……旦那様、、わたしはもう見ていられません!お嬢様があんなに思い悩んでいるというのに!」

と小声で話す恋の侍女の小町


「…いや、しかしなぁ、暁都くんも立場が大きい故に多忙なのだ帰国してまだままないから尚更、それを知っていて屋敷に読んでも恋は喜んばんだろう??」

と小声で返すのは皆乃川家現当主で恋の叔父に当たる皆乃川 圭一郎だ。


「お嬢様も伯爵様がお忙しいのは分かっています。もちろん伯爵様がお嬢様のことを大切に思っていて、でもとても忙しくてこちらに来たくても来れないのも分かっております。

ですが二年ぶりに再会して以来1ヶ月もお互い会えていないのですよ??」

と小声で熱弁する。


「……ん、うむむむむ…」

圭一郎も姪があまりにも悩む姿に頭を捻る。


「………あまり、気は進まないが恋ももう13だ。一人で伯爵邸に行くことはできるから問題ないか……」

とこの状況を打開できるゆういつの案を口にした。


「!!」

小町はそれを聞いて思わず目をまんまるにすだがすぐに笑顔になった。










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