第2話 叔父様の提案
小町と皆乃川 圭一郎は一度恋の部屋から離れて台所で
あれこれと準備をする
質のいい棚に置いてある箱包みを取ったり
上質な紙袋を準備したり
せっせかせっせかと準備する。
そして再び二人は恋の部屋への前へと立つ
先程準備した箱包みが紙袋の中に入った状態で小町が持っている。
今度はそっと様子を伺うのではなく
「…ごほっん!恋、少しお願いしたいことがあってな。」
わざとらしく咳払いをしてそういう
「!叔父様…なんでしょう??」
急な予想もしていなかった出来事に驚いた…と言うよりも心ここに在らずといった感じの恋が気づいていなさすぎたと言う方が正しいだろう。
それほどまでに寂しいのだろう
恋しいのだろう。
「…そのなんだ、友人から三日月亭の豆大福を箱入りでいくつかもらってな。量が多いからその…暁都くんに届けてくれんか??甘い物を食べると頭が働くというしな」
と小町が持っていた紙袋を見ながら恋に問いかけた。
豆大福をもらったのは相当だ今朝、圭一郎の友人が持ってきたのだ。
圭一郎は思わず豆大福を持ってきた友人を心の中で褒め称える事になった。
「(お客様がいらしていたなんて、気づかなかった)」
とぼんやり考えた後
「!!い、行きます!いきたいです!」
食い気味に恋はそう言った。
「そうか、では頼むとしよう。今日は往復して帰って来る頃には暗くなって危ないから明日朝イチで頼めるか?」
「はい!今日は早く寝ます!」
表情がパッと明るくなった恋
それを見て小町と圭一郎も思わず笑うのだった。
「それでは伯爵邸の方には私が連絡をしておきますね。」
小町は恋の晴々した顔を確認したあとそう言ってそそくさと壁掛電話機へと足を急がせた。
「ごほっん!伯爵邸への行き方は分かるか?」
そしてまたわざとらしく咳払いをする圭一郎に
「はい、街を変えた森の中にたっている大きな洋館ですよね!」
そうなのだ恋のいる皆乃川の屋敷と暁都のいる伯爵邸をいく道のりに町がある
「そうだ。森を通った方が近道だが、お前にはまだ危ないからちゃんと街を通っていくのだぞ??」
「はい!」
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その日の夜
「(えーとっ…えーとっ!暁都様にあったらまず突然訪問した事をお詫びして!それから豆大福を持ってきたのですがもしお時間あればでいいのですがお茶休憩しませんか?って聞くんです!この前は久しぶりにお会いして緊張しましたが今度こそ!)」
と自分の体温で温かくなった布団の中で丸まり明日暁都にあった際のシュミレーションをしていた。
早く明日にならないかな____と思いを馳せいつの間にか規則正しい寝息を立てる恋
だった
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