第8話甘いひととき
楠木退出の後
二人はそれぞれお茶を選び暁都がそれに合うお茶菓子を選ぶ
「!甘くて美味しい」
「それはアップルティーといってお茶の中では紅茶に分類されるものだ。」
「紅茶!お名前は聞いたことありましたが飲んだのは初めてです!このぱうんどけーきも不思議な食感で美味しいです!」
アップルティーと一緒に出された西洋の焼き菓子を頬張り恋はそういう
「気に入っていただけたのなら良かった。西洋の茶や菓子は苦手な人も少なからずいるのだ」
「そうなんですね……あ、あの!伯爵様のお好きなお茶も飲んでみたいです!!」
と勇気を振り絞って聞く
「俺は今飲んでいる渋茶か…そうだな。ハーブティーなどもわりと好きかもしれん。
渋茶は君の持ってきてくれた豆大福のほのかな甘さとよく会うのだ。」
「今飲んでいらっしゃるのてっきり緑茶かと!」
「緑茶よりも味が濃く渋みがあるのであまりおすすめはできんが」
「そうなのですか?」
「…そんなに気になるなら一口飲んでみるか?」
などと自分のカップを恋に差し出す
「ひゃ!ひゃい!?……えっと、そのでは!一口だけ!」
驚きと恥ずかしさもあったが暁都の好みが知りたい一心でそっと受けとって一口飲んだ
「……に、苦いです!!」
と思わず顔をギュッと顰める恋
「ふふっ許嫁殿には合わなかっただろうか?」
と少し笑いながら言う暁都。
今日は、と言うよりも恋の前だからだろうか彼は無表情からほんの少しだけ表情が変わる時が増えた。
「これは私にも美味しく飲める日がくるでしょうか??」
「どうだろうな、俺は元々コーヒーや紙巻タバコを扱う人間だったから苦味よりも旨みを感じるが…」
とどこから遠い目で答える。
「??伯爵様は紙巻タバコ。お扱いになるのですね。」
「あぁ、まぁ、たまにではあるが……これは渋茶よりも苦いから許嫁殿にはお勧めできんな」
「そうなんですね…うーん、あ!もう一つのおすすめのハーブティー?も苦いですか??」
「いや、ハーブティーは甘みがあるものの方が多いだろう。……そうだな。ではこれなんてどうだろうか?」
となれた手つきでハーブティーを作りカップに入れるの恋の前へと出した
「ピンク色!可愛いです。これは…桜?ですか?」
湯を吸収して潤いを取り戻した花びらがカップに広がる
それを見て恋は答えた。
「あぁ、桜のハーブティーだこれはこの国にしかないだろうな」
「いただきます。」
そっと口に含み飲み込む
「!すごく、すごく美味しくて優しくて懐かしいような味がします!これも好きです」
目を輝かせて言う恋
「それは良かった。」
無表情だが自分の入れた茶を美味しく飲んでくれる恋に嬉しく思うのだった。
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