第9話 あっという間の
ひと月ぶりの有明 暁都との談笑を楽しんでいるとあっという間に皆乃川 恋は自身の帰る時間になってしまった。
「君が今日美味しいと言っていた茶葉、封の開いてないものがあったはずだ良ければ持って帰るのはどうだろうか?」
「!いいんですか??」
「あぁ、豆大福の礼だ。」
「ありがとうございます!叔父様や小町、他のお手伝いの方にも飲んでもらいます!」
と、とても嬉しそうに笑う恋
「そうだな。では、茶葉を準備でき次第皆乃川の屋敷に送ってゆこう」
「!ダメです!伯爵様、ただでさえ私とお茶をしていただいたしっかりとした休息していないのに…」
とブンブンと首を振る
「俺が送りたいのだ。君と少しでも長くいたいと言うのが本音だが」
「っ〜〜!!」
今日最大の甘い言葉にもはや言葉が出ない恋だった
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玄関で少し待っていてほしいと暁都に言われた恋はちょこんと玄関で待っていた。
そこは執事の楠木が恋の気に入ったアップルティー、桜のハーブティー、カモミールティー、アプリコットティー、ダージリンティーとハチミツ、ミルクの入った袋を準備して渡す。
「恋様今日は本当にありがとうございました。おかげで伯爵様も休息を取れました。」
袋を渡すときにそう一言楠木は礼を言う
「そ、そうでしょうか??それなら私は嬉しいです!」
とそこに玄関の重い扉が開き外の光が入り込む
外から入ってきたのは恋を送る支度を終えた暁都だった。
「!伯爵様!」
「許嫁殿、屋敷に戻る準備は済んだだろうか?」
「大丈夫です!」
「ふむ、では、行こうか」
「恋様、ぜひまたお越しください。」
と楠木の言葉に
「はい!また、来ます!」
そう言って二人は暁都のあげた扉から外へと出た
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外には
[ヒヒン!]
黒く大きな馬が一匹
「お馬さん!!」
わー!と歓喜の声をあげて駆け寄る
「許嫁殿は馬に乗った経験は?」
「お恥ずかしながらありません。い、一度8つの時にぽにーと言う品種のお馬さんに乗る練習をしようとしたことがあったのですが怖くて…………でも、もう一度頑張ってみたいです!」
「そうか、それならば今日は肩の力を抜いて俺に身を任せてはいただけないだろうか?」
そう言って首を傾げる。
「っ!はい!勿論です!」
「いい返事だ…では、失礼して」
と言いながら暁都は恋の体をヒョイっと抱き上げた
「ふぇ!?」
「馬に乗ったら、落ちないようにしっかり鞍を掴むように
この馬はおとなしいからちょっとやそっとでは暴れはしないが」
「は、はひ!!」
抱き上げられたことに頭が追いつかないがとにかく暁都の言う通りに跨った馬の綱をしっかり握る
しかしやはり怖いのか目をギュッとつむる恋
すると直ぐ後ろに暁都が手際よく馬に跨る。
目を瞑っていても背中越しでもわかるその近さ
「(ち、近い!でも、すごく……)」
「すまない、少し窮屈だろうか??」
「い、いえ!……伯爵様が後ろに近くにいるってとても安心するんです。」
「!…そうか、それなら良かった、では馬を動かしても?」
「はい!大丈夫です。お願いします!」
恋の承諾を聞いた暁都は馬を歩かせる。
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