(三)-3
輝彦は声を大にしてそう言い、女性の肩を押した。女性は後ろに立っている人に倒れかかった。倒れはしなかったが、もたれかかる格好になった。
その後、輝彦は周囲の男性三人に腕を掴まれて次の駅で降ろされた。
ホームに下ろされると腕を振り回して三人をふりほどいた。
「ふざけるな! おれは被害者だぞ」
そう言って輝彦は暴れてやった。三人がようやく離れた。輝彦は頭にきたまま、ちょうどホームの反対側に停車中だった列車に飛び乗った。すぐにドアが閉まり、列車は出発した。
(続く)
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