(二)-19

 さらに「ふざけるな」の声とともに、輝彦の視覚に飛び込んできた景色は、ダイニングテーブルが腹を見せてダイニングの中空に浮いている姿だった。もちろんそれは次の瞬間にダイニングの壁際の食器棚とぶつかって大きな音を立てて床に立つような形で落ちた。

 美沙恵は驚いてダイニングの入口横の壁に身を隠し、音が収まると顔を出した。

 その突然の事態に美沙恵の体が震えていた。恐怖を感じていたのだ。しかし、輝彦が顔を向けると、目線は力強く輝彦の方をにらみつけていた。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る