(二)
「原稿が上がっていない?」
輝彦は番田部長にそう聞き返した。
「今日届くはずの原稿が来てないって、先方は怒っているぞ!」
「イリヤスビューティさんの方に届いてない? そんなバカな。確かに手配してもらっていますよ」
「誰が手配したんだ」
「宮山さんにお願いしました」
そう聞くとは今度は「宮山!」と大声で怒鳴った。
すぐに宮山稲司がやってきて「なんスか」と用件を尋ねた。対して番田はこの件を確認した。
「俺はちゃんと手配しましたよ。なにかの間違いじゃないッスか。俺は何も悪いことしてねえッスよ」
(続く)
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