(二)-3

 輝彦は思わず「ウソでしょ?!」と大声を出しながら立ち上がってしまった。そして目線で先ほど出て行った宮山がオフィスに残っていないか、捜索した。もちろんその姿は見当たらなかった。

 輝彦は慌てながら「ありがとうございます」とだけ受話器に残してそれを置いた。そして番田部長の元へ行くと「部長、手配されていないそうです」

「バカヤロウ! おまえがちゃんとしねえからだろう! 今すぐなんとかしろ」

「先輩が手配するはずだったんですが」

「知るか! お前がチームリーダーなんだから、すぐになんとかしろ! まずは謝ってこい!」

 輝彦の言葉が言い終わる前に番田は部長風の爆風を輝彦の耳に猛烈に吹かせた。


(続く)

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