今日も君とご飯が食べたい

　女学校を卒業したばかりのフィーネ・クラインは十七歳。

　彼女は仕入れのために遠方へ遠出をしている父に代わり、ワーカホリック気味の兄シリウスとどうにか店を存続させている。（ほぼ開店休業状態！）

　身長と怪力以外は脳天気で平々凡々なフィーネと、優秀・有能・偏屈・毒舌・重度の隠れシスコンという変わり者フルコンボだが、見た目だけで全ての欠点を補い有り余るほどの美丈夫である兄シリウス。

　母を早くに亡くし、父が頻繁に家を空ける彼ら兄妹の心と胃袋の支えは幼馴染みであり、料理人見習いのカイ・ハースだった。

　美味しいご飯と穏やかで温かな生活。
　色々と気にかけてくれるカイに甘えるのではなく、恩を返していきたい。
　――そう願っていたフィーネだったが、兄の一言から事態は一変する。

　更に後日、と…続きを読む