#19

赤龍の雲を見た夕方

隣りにあるのは白鯨の雲か?

スピリチュアルな体験が止まらないこの頃

不治の病が心を襲う

それでも人生は続いていく不条理

火の玉の正体はただの自転車のライト

夜のラップ音は幽霊なんかじゃない


メモが昨日を知らせる

今日を確認した四つ折りの手紙

明日を書き記した白地図

まだ何も始まっていない

それでも終わりを気にする自分が滑稽に映った


サバイバル生活だったなら何も悩まずに済んだかも

生死を気にするだけの生活に憧れを持つ錯覚

確実にそちらの方が辛いことは冷静ならわかる

好きなことだけして生きられたら

そんな夢想が胸を覆う


最果ての街に生まれたとして…

そこで私は生き残れるのか?

自らの底力に疑問を抱く

ぬくぬくと育った私にこの世界は冷酷すぎるか?

いや、最果てのほう街はもっと厳しいはずだ

奮い立たせて前を向け


不透明なガラス細工が床に転がる

拍子に踏みつけた

粉々になったガラスをかき集める掃除機

眠たさに任せて適当な後始末だった

早朝目覚めて後悔する

昨日の自分のケツを拭くのは今日の自分


明日に備えて今日も眠れ…

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