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目次
＃13
池に太陽が捕まった正午
水面で二匹の魚が跳ねた
高い山から陽が顔を出す
牛乳を含んだ午前六時
朝食のバナナとヨーグルトを冷蔵庫から取り出す
昨夜の痕跡が残る机上
三択のタロットが未来を示す
切り刻んだカーペットに染み込んだ血痕
ふくよかな男性のジョギング
仲良し三人組ママ友の山登り
憂鬱な顔つきで何処へ？
意味深なタイミングで吊ってしまう胸
体つきが変わった数ヶ月
ダイエットは終わった後が一番重要だと思い知らされる
林道工事の騒音が今では小気味よい
ピンチの弱った洗濯ばさみを捨てる日曜日
キレイに折り目をつけたアイロン
不死身じゃないという当たり前に気付いた六歳児
ゴンドラが左右に揺れている
急降下中にシートベルトの存在を疑った高二の夏
どんな出会いにも別れがあると教えられた二十歳の冬
どこまでも行けると疑わなかった子供ではもういられない
終わりに向けて徐々に進む毎日
最期は皆痩せ細って同じ運命を辿る
同じ行き先かは分からないが朽ちるのは皆同じ
どんな人生だとしても食うに困らなければ上等
幸せの定義を疑った今年の秋
好きなものを好きなだけ食べられれば、それで幸せだと感じる独りの夕食
君は居なくとも…
ただなぐり書く
音にならないメロディと詞にならない言葉を探して
深い闇で独り蹲る
光が指すことを願って
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