#5

階段の踊り場から陽が差し込む

それを教室から眺めていた

そこに突然現れたバスケ部の不良

目が合ったらお互い目を離せない


過ぎ去っていく危機に安堵する心臓

何事もなく放課後を迎えるはずだった…


校門で待ち伏せている不良グループ

過疎地の公園に連れて行かれてタコ殴りにあう

「タイマンだったら…」

そんな情けない言葉が口を吐く

早いこと謝ってしまおう

ひれ伏そうと弱い自分が顔を出した瞬間…


叩け!殴れ!砕け!

弱い自分に負けないように

壊せ!崩せ!示せ!

強い自分になるために


思いの外チャンスはすぐに訪れる

廊下ですれ違ったバスケ部の不良

卑怯な手と笑われても奇襲を仕掛ける

唐突に顔面目掛けて右ストレート

「タイマンだったら…」

いつの日かとは違った意味の言葉が口を吐く

きっともう誰も絡んでこない


でも

校門で待ち伏せている不良グループ

過疎地の公園でまたタコ殴り

「タイマンだったら…」

いつか吐いた言葉よりも強気な心が僕を突き動かす


叩け!殴れ!砕け!

弱い自分に負けないように

壊せ!崩せ!示せ!

いつか誰にも負けないように…

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