#15

夢見がちな絵を描いた

満天の星空に浮かんだ白鯨

満月と北斗七星

明るい夜空に跳ね上がるイルカ

四方八方で輝く星たち

いつの日か見た夢の光景


亡くなった祖母の部屋が空室になる

寝泊まりをするために借りた一夜

親族が集まった神社で使徒が私を見つめる

神託を受けた内容を朝まで覚えている

少しの恐怖と期待が胸を覆う

眠気を携えたまま自転車に跨った


コンビニの新発売飲料

毎度のチェックは欠かさない

少なくなっていく喫煙室

煙たがられるヤニカス

打ちながら吸えなくなった都道府県

私は二十分に一度は吸いたいぞ…

遊びきれなくなったゲーム達

興味が薄れていくアニメ達

寄る辺ではなくなった漫画達

依存先が消えて身体に異変が起きる


見覚えのない車が家の前を通る

神に祈る参拝者

同じ列に並ぶ自分を客観視

それも悪くないって一度頷く


知らない顔をされた同級生

声を掛けるわけでもなく

隣の席になっても他人事

私を目的地まで連れて行く


過去を捨てた自分が過去に縋る情けなさ

消えかけた未来が復活した気がする三年前

その日の神託のお陰で今も生きている


自分の感覚を信じたら前へ

いざ、無限の苦しみの先へと…

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