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冒頭から不可解な状況で読者を不安に陥れる、人間の暗部を描いたホラーです。

不安に始まり、中盤での急展開に混乱し、そして真実が明かされるクライマックスでは、背筋が凍るような恐怖が待っています。

読了後にタイトルやキャッチコピーの意味が、読者の心に深く突き刺さります。おすすめです！

友達と一緒に同じ団地に住む先生のところへ行く杏。
昨日も、今日も、明日も、先生のところへ。
引っ越していく友達。引っ越してきた友達と共に。

どこからが真実で、どこからが幻なのか。
是非、読んで確かめて見てください。
読了後、キャッチコピーの意味が分かります。

冒頭から不穏な雰囲気でした。そして、最終話。全ての真相を知った時。先生とは？　一緒にいた友人は？　恐怖に震える事、間違いない作品です。ヒトコワの真骨頂を味わってみては？

　本作は子供視点で語られる。いつしか、読者は子供として、見て、感じて、考える。大人になって忘れてしまったり縁遠くなってしまった、自分の外の世界の不穏さやそれがもたらす恐怖を想い出すかもしれない。それを背景音として是非読んで欲しい。

団地に住んでいる小学生の少女、杏は、同じ団地に住む友人とともに先生の家に遊びに行くのを楽しみにしています。
しかし、一緒に遊びに来た友人はその後で引っ越してしまい……。

序盤は一見穏やかそうで、どこか不穏な雰囲気を描いた日常から始まります。
「遊びに行く先生の家で起こっていること」「友人の行動」「ネグレクトをにおわせる杏の家庭環境」、そういった子供の目から描いた現実的な描写が、だんだん幻想的な雰囲気を帯びてきます。
そして中盤で突如、急転直下の展開になり、おどろおどろしい真実が明らかになっていくのです。

少女の何気ない独白からにじみ出る病的な内面が上手く描写されていて、引き込まれて読んで…続きを読む