概要
未言の源流を継ぐ宗主は、現実の幻想へ人を導きます。
未だ言にあらず――それは、未だ言葉としてなかった物事に宛がわれた言葉の未《いま》だ。
それを『未言』という概念で産み出していったのが、未言屋店主です。
その未言屋店主の思い描いた未言のそのまま、源流を引き継いだ『未言屋宗主』は、未言を知らない人、未言を知ろうとする人、未言に疑問を抱く人、未言に寄り添いたいと思う人へ、未言の在り方を伝えていきます。
ある夏の日に未言屋宗主の営む店を訪れたのは旅行する女子大生でした。店に並ぶ未言の表現を楽しむ彼女を未言屋宗主は雨上がりの宵に浮かぶ未言へと案内します。
『一夜月』:ただ一夜限りの愛しみを。
『山泣く』:だって、言葉って使う人によって変わるものでしょ?
『暮れ炉』:紫月が屋根に登って、たゆとう雲を炙りながら山の端へ沈んでいこうとする夕日を見てい
それを『未言』という概念で産み出していったのが、未言屋店主です。
その未言屋店主の思い描いた未言のそのまま、源流を引き継いだ『未言屋宗主』は、未言を知らない人、未言を知ろうとする人、未言に疑問を抱く人、未言に寄り添いたいと思う人へ、未言の在り方を伝えていきます。
ある夏の日に未言屋宗主の営む店を訪れたのは旅行する女子大生でした。店に並ぶ未言の表現を楽しむ彼女を未言屋宗主は雨上がりの宵に浮かぶ未言へと案内します。
『一夜月』:ただ一夜限りの愛しみを。
『山泣く』:だって、言葉って使う人によって変わるものでしょ?
『暮れ炉』:紫月が屋根に登って、たゆとう雲を炙りながら山の端へ沈んでいこうとする夕日を見てい
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!言葉にできないものこそ愛して欲しい。
言葉以前の感動。具体的な感激になれなかった感傷を、形として表出する。
そんな『素敵』を生業とする主人公のもとに。これまた感受性豊かな旅人がご来店。
というところから物語が始まるのだが。
まずもって文章が美しく完成されていた。
そこからは作者様の力量と読書量が垣間見れたし。実力に裏付けされた情景描写、心理描写が素晴らしかった。
だからだろう、夏の日のムンムンとした熱気と。あおくしげる雄大な山々の峰が、容易に想起させられた。
内容自体も素敵で、とても優しく奥ゆかしい構成に仕上がっていた。
自分も日常に転がる、言葉にすらならない感動を、拾っていきたいものである。