美味しいものを食べる「よりみち」が繋ぐ、男子高校生たちの爽やかな青春BL作品です。
新学期、高校一年生の白石晴富は購買で同じ高校一年生の望月幸詩と出会います。購買のおすすめパンを一緒に食べることで仲良くなった二人。その後もたびたび学校の周囲にある美味しいものを二人で食べに行くことで、次第に仲を深めていきます。
そんな望月にある「トラウマ」が存在することを知った白石は、トラウマ克服のために「協力」することを申し出るのですが。
購買パンや肉まん、ドーナツ、たい焼きといった美味しいものが作中にはたくさん登場します。しかもそれは豪華な料理ではなく、食べ歩きしやすいものやジャンクフードに分類されるものなど。学生ならではと言うか、これだけでも青春を感じる人もいるのではないでしょうか。
そして、それを紹介してくれる白石君が、本当に食べることが好きなんだなということが分かって、可愛らしくてとても良いのです! 思わずこちらも笑顔になって、同じものを食べたくなってしまいます。
お相手の望月君は初登場時に体調不良だったこともあり、トラウマ持ちで内気な性格かと思いきや、軽音楽部所属でギターをかき鳴らして格好よく歌う姿を見せてくれたりと、ギャップもあってとても魅力的な少年です。
そんな二人が、美味しいものやトラウマ克服を通じて少しずつ距離を縮めていって、夢に悩み友情と恋の狭間に悩むなんて……正に「青春」じゃありませんか!
「二人」でのご飯が美味しいのはきっと、大切な人と一緒に食べているからなんですよね。
ずっと二人で美味しいものを食べてほしい。
見ているこちらが癒される、素敵な青春×BL小説です!
きっかけはご飯とよりみち。
そこから勉強に部活、音楽を経て望月幸詩は、白石晴富に悩みを打ち明ける。
思春期ならではの繊細な悩みは、音楽を通して人々を魅了していく。
その中には勿論、晴富もいるのだが、グイグイと迫る存在も……。
けれどそこは男子高校生。食べ物で気を紛らわせます。
あまりよりみちをしたことがなさそうな幸詩からしたら、晴富が薦めるお店や食べ物は新鮮で、そして美味しい。
まさに青春ですね!
惹かれないはずがありません。
なかなか想いを伝えられない。
言葉にはしないけれど、ストレートに態度で示すことなど、ちょっぴりもどかしい二人の青春を覗いてみませんか?
読んでいると「青春してるなあ」とにこにこしてしまう、そんなお話です。
一緒に過ごす時間は楽しくて。一緒に食べるご飯はおいしくて。
会えないとなると寂しさが込み上げて。
友情が少しずつ少しずつ違うものへと変化していく様が緻密に描写されていて、読者は「あっ」となるのですが、肝心の本人が気付かないというのがまた良い……。
そして、ようやくそれが恋だと気付いた瞬間から生まれる苦悩。
いろいろと考えてしまいますよね。態度に出てしまったり、ぎこちなくなってしまったり。
それらを乗り越えて、二人は……?
いつものように二人で過ごして、おいしいご飯を食べて、と仲良く過ごしてほしいと応援しています。
皆様もぜひ、読んでみてください。
食べることが大好きな白石晴富とSNSトラブルでのトラウマによってカメラが苦手な望月幸詩。食べ物で交流を深めた二人が、音楽と、夢と、恋を語らう素敵な「よりみち」のお話。
購買の値下げパンやベビーカステラ、ちょっと贅沢してラーメンなど、高校生ならではの可愛らしい食事チョイスがツボです。「こういうのでいいんだよ、こういうので」と思わず何度も頷きたくなる歩く食べ〇グ晴富くんセレクトに満点レビューを捧げたいくらい!
幸詩くんは陰キャイケメンかと思いきや、ギターを持って歌えば晴富くんだけでなく読者までも虜にしてしまう何ともメロいDKでした。彼の才能を放っておけない美少女JKの介入で引っかき回される友情と恋の狭間の二人がじれじれしていて、最高なのです。
君に愛を歌った帰りには、美味しいよりみちを。
青春BLのキラキラした部分が詰まった一作、ぜひご一読あれ!