まず最初に言っておきます。
「趣味の範囲、自分が書きたいもののために作品を書いている」という人にはあんまり関係のないデータです。
ですが、「評価されやすい作品を書きたい、自分の承認欲求を満たしたい、何でもいいから評価されたい」という人には、一度目を通してみる価値はあります。
膨大な数のデータを精査した上での、評価されやすい作品の傾向がつかめます。
もっとも、そのような作品を書いたからと言って、必ずしも評価を得られるとは限りません。
データはデータですが、データ以前に一定水準を満たす実力は必要ですからね。
「評価を得たいけど何から書こうか?」と迷ったら、ひとまずお読みください。
31万作品を超える膨大なデータを基に、カクヨムの実態を多角的に分析した労作です。ジャンル別の作品数や評価傾向、リワードシステムの推移、さらには投稿からの時系列での評価の伸び方まで、徹底的なデータ収集と緻密な分析により、プラットフォームの全体像を鮮やかに描き出しています。
特筆すべきは、単なる数値の集計に留まらない、的確な考察と実践的な示唆です。たとえば評価の時系列分析からは投稿初期の重要性が、ジャンル別分析からは各カテゴリの特性が、説得力のある数字とともに明らかにされています。
また分析手法の限界や前提条件を明示し、自身の推測と事実を明確に区別しています。予想外の発見(カクヨムオンリータグの効果など)には修正を加えて、より正確な全体像の把握を目指しています。
プラットフォームの成長に伴う構造的な変化(リワード還元率の推移など)にも目配りがきき、現状分析から今後の展望までを示唆する本研究は、カクヨムを理解する上で貴重な資料となるでしょう。ぜひ一読をお勧めします。
私個人の所感ですが、創作論は得てして作者の持論であり、ある種の生存バイアスが反映されがちなものだと思います。伸びる要素を入れたからといって、人は必ずしも見てくれません。好悪ではなく現実として、創作者に高く立ちはだかる壁であるそれは、大きく立ちはだかっています。
その中でも本作は、血の滲むような努力で集計した結果でもって、ジャンルごとの評価度などを導き出しています。多少の誤差はあると最初に前置きされていますが、それを差し引いても、具体的な数字は手堅い説得力を有しているでしょう。
「評価の度合いを鑑みてジャンル選択をする」という活用法も理に適っていると思いますが、既に投稿数を重ねているものの伸び悩んでいる……という作者にも見てほしいです。
俯瞰した視点から得られた星の数をジャンルと照らし合わせて、実際には評価されているのかされていないのか、今一度確かめてみてはいかがでしょうか?
まずは一言、凄く心に刺さりました…。
なにせ、まさに自分のことだったので。
投稿し始めたばかりで、☆がもらえず日々、落ち込んでいる。
わたしと同じような方のためにある本です。
みんなは☆をもらっているのに、どうしてわたしだけ?
でも読者からしたら、まだ序盤でどんな物語なのかも分かっていないんですよね。
そりゃそうだ。(約作品が30%が☆なしと書かれていましたので安心しました)
区切りをつけるところまでは頑張って執筆するぞ!という気持ちにさせて頂き、本当にありがとうございます。
ここまで調べたのは本当に大変な作業だったと思われます。
ぜひ、みなさん読んでください!!