概要
発見された新大陸の富をめぐり、国同士争い、海賊たちが海を跋扈していた時代。
ある日、『嵐と海を操る海賊』として伝説となった、デイヴィッド・グレイの宝箱が見つかる。
その宝箱に眠るグレイの航海日誌には、彼の生涯の宝を隠したアジトの場所が記されているという。
グレイの宝箱を巡って、大きな歯車が動き出す。
右目を奪われた隻眼の子。
呪いによって心を奪われた海賊船長。
一族を滅ぼされた王女。
“人喰い”と呼ばれる男。
孫娘を失った海軍提督。
そして、宝を守る海の魔物も目を覚ます。
彼女は歌う。男を惑わし、水底へ誘う歌を。
哀れ、救われぬ魂は彷徨う。
彼女の流す涙を、まだ、誰も知らない。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大海賊の秘宝を求め、海の魔物に呪われた者たちが繰り広げる大冒険!
初っ端に書きますが、興奮するし感動します。
文章は商業作品と比較しても遜色なく、奇をてらわない冒険とファンタジーをお求めの方には自信をもってオススメできる傑作です。
カリブの海賊を想起させる大海原を舞台にして、主人公は若き海賊クック船長と片目を眼帯で隠した少年ジャニ。
歌で船乗りたちを惑わす海の魔物セイレーンに呪われた登場人物たちが、呪いを解くための秘宝「セイレーンの涙」を求め、海や無人島を舞台に知恵と勇気の大冒険を繰り広げます。
海戦❗剣戟❗大海蛇❗大怪鳥❗滝落ち❗開かない宝箱と財宝の地図❗
英雄的海賊クック船長と、亡国の姫君にして美しい踊り子ルーベルの恋。
クック…続きを読む - ★★★ Excellent!!!全国の小中学校に寄贈したいんで書籍化してください!!(絶叫)
感涙のフィナーレにようやくたどりつけました!!
いやもうほんと、ありがとうございます。
最初から最後まで完璧でした。
思いの全ては一言紹介に叫んだ通りです。
日本中どころか、世界の全ての子供達に、いやもちろん大人にも向けてお届けされてほしい最高傑作です。
人を信じる事、自分を信じる事、仲間を信じる事、未来を見る事、
そして過去の文明を愛する事を、異文化を尊重する事を、
この世でどうしても、何があっても、善なる意志をもって、
子供達を先達としてこの世に受け入れていくという、
宣誓にも似た祈りと信念で織りあげられた冒険の物語です。
こういった物語こそ、届いて欲しい。
届けてほしい。
心…続きを読む - ★★★ Excellent!!!映画を一本見終えたかのような満足感!
海賊というジャンル、ラノベではとても珍しいと感じました。
そして新しいジャンルに手を出す躊躇いみたいなものもあったのですが、読んでみると…
まず感じたのがとても読みやすいこと。
そしてストーリーの濃さと、主要キャラどころかサブキャラまでしっかり書き込まれた完成度に引き込まれました。
そして1番の見所は物語が進むにつれ明かされていくバックストーリー達!
冒険、仲間、宝、セイレーンの呪い、宿敵…そういった要素がこのヒューマンドラマにも感じる物語を彩るアクセントとして最高の役割を与えられています。
最後まで読んでみてください、きっと読み終えた後に感嘆のため息を吐きたくなるような充足感を得ら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!幻想大航海時代に『生きている者たち』を味わいたい方へ
中世後期――その当時を生きていた人々は、多様な信仰や伝説を現代人よりも信じていたと言われています。
題名でもある<セイレーンの涙>という人智を超えた秘宝を軸に、現実と幻想が混在していた、まさに『大航海時代の浪漫』そのものが本作では描かれています。
本作は史実世界ではなく、あくまで異世界ファンタジーですが……精美で読みやすいながらも『これでもか』と唸らせる当時の時代をモチーフにした描写(航海に於けるリアリティ、旧大陸と新大陸や私掠船の概念、特に個人的お薦めな当時の技術レベルを基にした海戦etc)。
ある理由から記憶をなくした少年の主人公ジャニをはじめ、海賊船長クック、船医のロン、ジャニの同僚パ…続きを読む