妖獣の唇に セイレーンの涙を

作者 茅野 明空(かやの めあ)

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★★★ Excellent!!!

 初っ端に書きますが、興奮するし感動します。

 文章は商業作品と比較しても遜色なく、奇をてらわない冒険とファンタジーをお求めの方には自信をもってオススメできる傑作です。

 カリブの海賊を想起させる大海原を舞台にして、主人公は若き海賊クック船長と片目を眼帯で隠した少年ジャニ。

 歌で船乗りたちを惑わす海の魔物セイレーンに呪われた登場人物たちが、呪いを解くための秘宝「セイレーンの涙」を求め、海や無人島を舞台に知恵と勇気の大冒険を繰り広げます。

 海戦❗剣戟❗大海蛇❗大怪鳥❗滝落ち❗開かない宝箱と財宝の地図❗

 英雄的海賊クック船長と、亡国の姫君にして美しい踊り子ルーベルの恋。
 クックの師であった今は亡き海賊カルロスと、海軍提督まで上り詰めたその親友リチャードの確執と悔恨。
 そして莫大な財宝を残して世を去った大海賊デイヴィッド・グレイと、美しき海の魔物セイレーンの悲恋。

 すべての物語が複雑に絡み合いながら大きな幹となり、多くの魅力的な登場人物のエピソードを枝葉としながらストーリーが進みます。

 構成がめちゃ上手い❗

 自分の居場所を求めるジャニ。愛のために戦うクック。大きな夢を抱いたカルロス。そして人食いと恐れられる海賊ゲイルまでもが、その妄執をもって読者に語りかけてくる。

 その他にも魅力的なキャラが多数登場❗

 ちなみに腰布一丁の賢者マトリシュの物語は必読❗

 まるで映画を観ているようなビジュアルイメージも素晴らしく、濃密なドラマをこれでもかと引き立てます。

 実写もいいけど、個人的には宮崎駿にアニメ化して欲しい❗

 長々書きましたが、是非ご一読下さい❗

★★★ Excellent!!!

感涙のフィナーレにようやくたどりつけました!!

いやもうほんと、ありがとうございます。
最初から最後まで完璧でした。

思いの全ては一言紹介に叫んだ通りです。
日本中どころか、世界の全ての子供達に、いやもちろん大人にも向けてお届けされてほしい最高傑作です。

人を信じる事、自分を信じる事、仲間を信じる事、未来を見る事、
そして過去の文明を愛する事を、異文化を尊重する事を、

この世でどうしても、何があっても、善なる意志をもって、
子供達を先達としてこの世に受け入れていくという、
宣誓にも似た祈りと信念で織りあげられた冒険の物語です。

こういった物語こそ、届いて欲しい。
届けてほしい。
心の底から願います。


登場人物たちの人物造形は鮮やかで好感が持てる。
世界は色鮮やかで、少し残酷で豊かだ。
それを完全で丁寧で美しい日本語で描き切るという神業。
そうそうお目にかかれるものじゃあない。

この感動を、どうか手にしてほしい。

切に願います。

★★★ Excellent!!!

 眠る宝箱1まで読ませていただきました。

 とても細かく設計された舞台と壮大なストーリー、重厚な語り口、また海賊モノという珍しさもあって、とても楽しく読ませて頂きました。

 個人的な趣味の話になりますが、ジャニ・クック・ロンの内の誰か一人が女性だったら面白いなと思いました。(海賊十カ条が崩れてしまいますが)

 お世辞抜きですごく面白かったです。
 企画への参加ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

海賊ものということですごくロマンのあるお話です。

ジャニはかけられた呪いを解くために、クック船長率いる海賊船に乗ります。
クック船長たちが求める宝の中にジャニの呪いを解く宝があるのです。
宝を求める中、海の怪物や海賊に襲われ、裏切られ、冒険を繰り広げていきます。
王道冒険ファンタジーでもあるこの作品。アニメ化で見てみたいと思いました。

小さい頃に戻って冒険者のアニメを見ているような気持ちになりました!
皆様、一読してみてはいかがでしょうか。

★★★ Excellent!!!

海賊というジャンル、ラノベではとても珍しいと感じました。
そして新しいジャンルに手を出す躊躇いみたいなものもあったのですが、読んでみると…

まず感じたのがとても読みやすいこと。
そしてストーリーの濃さと、主要キャラどころかサブキャラまでしっかり書き込まれた完成度に引き込まれました。

そして1番の見所は物語が進むにつれ明かされていくバックストーリー達!

冒険、仲間、宝、セイレーンの呪い、宿敵…そういった要素がこのヒューマンドラマにも感じる物語を彩るアクセントとして最高の役割を与えられています。

最後まで読んでみてください、きっと読み終えた後に感嘆のため息を吐きたくなるような充足感を得られることかと思います。

★★★ Excellent!!!

初めて海賊を主軸に置いた作品を手にしましたが、とても読み応えがあります。特に海賊たちの生活スタイルや役割、掟などの描写から作者の強いこだわりを感じられます!
その物語の中でクックを始めとする翼獅子号の面々もまた個性があり、戦闘描写も白兵戦を始めに頭脳戦もあったりで飽きることがありません!
誰が最後に宝を手にするのか…。今から楽しみです!!
是非ともご一読を!!

★★★ Excellent!!!

 アニメなどでありがちな、暴れるだけの海賊たちではなく、彼らなりの掟や仁義に基づいて行動する生きたキャラクターたちが丁寧な筆致で描かれており、ついつい引き込まれてしまいます。
 壮大な冒険のみならず、彼らの暮らしも細やかに描かれているので、キャラクターたちをより身近に感じられるところも魅力ですね。
 海洋冒険小説がお好きな方はぜひお試しを。

★★★ Excellent!!!

中世後期――その当時を生きていた人々は、多様な信仰や伝説を現代人よりも信じていたと言われています。
題名でもある<セイレーンの涙>という人智を超えた秘宝を軸に、現実と幻想が混在していた、まさに『大航海時代の浪漫』そのものが本作では描かれています。
本作は史実世界ではなく、あくまで異世界ファンタジーですが……精美で読みやすいながらも『これでもか』と唸らせる当時の時代をモチーフにした描写(航海に於けるリアリティ、旧大陸と新大陸や私掠船の概念、特に個人的お薦めな当時の技術レベルを基にした海戦etc)。
ある理由から記憶をなくした少年の主人公ジャニをはじめ、海賊船長クック、船医のロン、ジャニの同僚パウロ(成長していくキャラ)、そして私の惜しキャラである古参の戦闘員で現在は船舶料理長のバジルなど魅力的な登場人物たちの交錯する人間ドラマ。

海賊、大航海時代、海の伝説などなど浪漫溢れる作品を読みたい方にぜひ一押しの小説です。

★★★ Excellent!!!

海賊が出てくるお話が好きな方にとっては特に、
こんな物語を読みたかった!と飛びつきたくなる作品です。

作者の持つ海賊の知識が余す所なく発揮されていており、海賊なりのやり方が随所に見られ、それらがとてもリアリティに溢れていて…
海賊たちのバトルシーンは迫力満点で血湧き肉躍る戦いがありつつも、
海賊ならではの頭を使った作戦の連続にも思わず唸ってしまいます。

そして船の描写も圧巻で…
まるで映像を見ているかのように、頭の中でその姿が明確に再現されます!

伝説の宝箱を巡る冒険や次々起こる事件の数々に、ワクワクが止まりません!
ぜひ最後まで読み進めたい作品です!

★★★ Excellent!!!

隻眼の少年が乗る海賊船。船長や副船長、様々な個性的な乗組員たちを乗せ、船はゆく。とある伝説の海賊の航海日誌の入った宝箱を巡り、事態が動き出していく。

乗組員たちそれぞれが個性的で、それぞれに魅力があり、わいわい賑やかな海賊達の航海に、自分もまたその一員になったかのように入り込んでいける作品です。

まだまだお話は序盤ですが、とても面白く、引き込まれました。

ここからお話がどのように進んでいくのか、とても楽しみです。

皆様も是非、海賊達の冒険をご一緒に!
(11話までのレビューです。)