ゆらゆら、心模様。

　舞台は現代。絵画が不思議な力を持っているということ以外はごく普通の世界。
　絵術師を目指す若者たちが集まる帝祥絵術高等専門学校は世界中の絵術研究機関と連携している。

　穂積悠里は研究資料や書物目当てに
　栗生棗は自分の力で生きていくために
　椎名千景は人を信じるために
　天宮志希は周りに認めてもらうために
　上條樹は立派な絵術師になるために
　今年、帝祥校の門をくぐった。

　それぞれが意志と個性を持ち、それゆえ大人になりきれない彼らは時にすれ違うが、どこか人を惹き付ける魅力を持つ悠里を中心に次第に強い絆を感じはじめる。彼らより少し大人びている同じ寮の女子五人は、そんな彼らを生暖かく見守っている。

　ある日、学生会館で突然泣き出す生徒や気分が悪くなったと医務室に駆け込む学生が出ていると…続きを読む