概要
そんなある日、雪菜は影たちの裏図書室から物語が現実になる本を借りてしまう。
物語通りにいじめっ子たちは、夏海を加害していく。
雪菜は呪われた物語を最後まで読み切れるのか。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!その本は現実に侵食してくる――ジュブナイルホラー百合
TwitterのRT企画からお邪魔いたします。
主人公、日色雪菜は少し引っ込み思案な文学少女。
ある日彼女は読んでいる物語に出てきた異世界、『裏図書館』に辿り着いてしまいます。
そこでの『入ったら最低一冊は本を借りなければならない』というルールに則り、とある勇者の冒険物語を借りたところから、このお話は始まります。
物語を読み進めていくにつれ、雪菜はそのストーリーと同じことが現実で起きていること、それが密かに憧れている少女、枝折夏海を中心に進んでいることに気づき…というお話。
二人の少女が歩み寄っていく姿が、主人公の一人称で描かれています。
百合×ホラーという、私の大好きなジャンル!
めち…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日常に咲く百合と少し怖いファンタジー
日色雪菜は友だちがいない。いつも一人で百合小説を読んでいる。
枝折夏海に憧れていて、いつも彼女が明るい声で挨拶をすると、雪菜は心の中で挨拶を返している。
何を思い立ったのか分からないが、雪菜は裏図書館への生き方を試してしまう。
そう、軽い気持ちで。
読み終えた感想は素直に面白かったです。
一人称の物語で丁寧な文章で綴られています。
主人公の性格が上手く表現されていますよね。
丁寧な文章からは夏海への憧れを強く感じました。
物語が進むにつれて雪菜と夏海の関係に変化が生まれます。
読んでいて、ドキッとしてしまいました。
短編なのでサクッと読めますし、満足感もあり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰がための「物語」
主人公の雪菜は、ひょんなことから一冊の不気味な本と出会います。
それは、中に書かれた内容が現実に起きてしまうという「呪いの本」――
しかし、本にまつわる恐ろしい噂とは裏腹に、その内容は魔王討伐の旅に出た勇者が傷つきながらも怪物と戦いつづける英雄譚でした。
いったい、この「おとぎ話」がどのような形で現実に起こりえるというのか?
すると、呪いの本を手にした雪菜の周囲では、時を同じくしてクラス内で「いじめ」が表面化しはじめます。
不幸にもその標的となってしまった雪菜たち。
次第にエスカレートする、加害生徒からの攻撃。
そしてついに――降りかかる悪意が、呪いの成就と重なったとき、おとぎ話…続きを読む