概要
守るためなら、生きられる。
この国の中枢は、八つの機関から成り立っている。
法務を司る第一機関、外交を司る第二機関、財務を司る第三機関、そして、公安を司る第四機関というように。
そして近年、秘密裏に発足したと囁かれているのが、公には存在しない九番目の組織――粛清を司るといわれる第九機関だ。
あらゆる違法行為――殺人さえも、第九機関が“執行”すれば、それは“超法規的措置”の扱いになる。
北方のスラムに生きていた幼い兄弟は、凍える冬の日、《勧誘人》を名乗る男のテストを受け、《第九機関》に導かれる。
幾重も死線をくぐる訓練を生き抜き、兄は指揮官の役割を果たす《調整人》に、弟はそれを守る《護衛人》となる。
だが――
――こんなかたちで、愛してごめん。
弟にとって、兄は世界の全てだった。
世界で信じられる存在が兄しかいない
法務を司る第一機関、外交を司る第二機関、財務を司る第三機関、そして、公安を司る第四機関というように。
そして近年、秘密裏に発足したと囁かれているのが、公には存在しない九番目の組織――粛清を司るといわれる第九機関だ。
あらゆる違法行為――殺人さえも、第九機関が“執行”すれば、それは“超法規的措置”の扱いになる。
北方のスラムに生きていた幼い兄弟は、凍える冬の日、《勧誘人》を名乗る男のテストを受け、《第九機関》に導かれる。
幾重も死線をくぐる訓練を生き抜き、兄は指揮官の役割を果たす《調整人》に、弟はそれを守る《護衛人》となる。
だが――
――こんなかたちで、愛してごめん。
弟にとって、兄は世界の全てだった。
世界で信じられる存在が兄しかいない
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- ★★ Very Good!!運命に翻弄された兄弟の愛が胸を打つ。
親の庇護なしに生きる兄弟、由と永。ある日、彼らの前に一人の男が現れ、二人に銃を差し出して告げる。『その銃で人を打て、さもなくば命はない』と。生きるため、そして弟を守るために手を汚すことを決意した由は命令を実行する。そこから二人の運命は一転し、『粛清』を義とする国家機関の配下となる日々が始まる……。
荒廃した世界の中、互いを守ることだけを一心に考える兄弟。その想いは兄弟のそれを越えた感情へと転化するが、そこに生々しさは一切なく、むしろ高潔で美しい。
守るために殺し、殺されないために守る。殺伐とした世界の中で叫ぶ兄弟の声が悲痛に胸に訴えかける。過酷な運命を背負わされた兄弟の物語がどのような…続きを読む