概要
この人を絵に描きたい。心から、そう思った。
水無月悠。頭はいいくせにどこか抜けていて危なっかしいクラスメイト。霧野蓮にとってはそれだけではない。故人となった兄の知り合いでもあったのだ。蓮は兄が気にかけていた水無月悠という存在に複雑な感情を抱きつつも、その美貌を絵にして、絵画コンクールで賞を狙うことにする。そうするのがいいと、そう思ったから。
だが、水無月悠は、承知しない。水無月悠が提示してきた条件は、「自分の容姿を嫌いではなくなるようにすること」だった。蓮は水無月の説得のために、あれやこれやと案を練る。故人となった兄の言葉や水無月自身の様子をヒントに、蓮は説得を試みる。その上、蓮は、水無月を本気で説得するなら保険などかけるべきではない、として他のモデルなどは用意していない。背水の陣とも呼べる状況に、水無月は笑いながらも、なお承諾し
だが、水無月悠は、承知しない。水無月悠が提示してきた条件は、「自分の容姿を嫌いではなくなるようにすること」だった。蓮は水無月の説得のために、あれやこれやと案を練る。故人となった兄の言葉や水無月自身の様子をヒントに、蓮は説得を試みる。その上、蓮は、水無月を本気で説得するなら保険などかけるべきではない、として他のモデルなどは用意していない。背水の陣とも呼べる状況に、水無月は笑いながらも、なお承諾し
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