ぶっちゃけガチャだよね

さて、まずは状況を説明してほしい。



なんでギルドマスターがドラゴンと戦うときみたいな顔してるんですかねぇ(困惑)

こちとらチュートリアルに来ただけなのに、いきなり厳ついオッサンとお部屋でランデブーですわ。


「……チュートリアル、と言っていたが…その職業系統の頂点と言ってもいい境地にいるのに何を学ぶ気だ?」


「あ、違和感の正体わかったわ。俺旅人なの。」


「早く言えよォ!!!!」


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「で、何からやるんだ?」


「とりあえず、戦闘の手引きをしてほしいっていうのと召喚の方法を教えてほしい。」


「召喚は魔石がないとできないからな…貸してやってもいいが、戦闘訓練がてら集めるか?」


「そのほうが良さそうだな。頼んだ。」


「相わかった。ならとりあえず訓練場に行くか。あんた得物は持ってんのか?」


「大司教のじいちゃんからもらった杖が…」


「もう何も突っ込まねぇぞ?じゃああんたがやるべきは杖術と…サモナーなら支援系の魔術か?」


杖術はなぜか父さんにプレゼントされた杖術の訓練ソフトで練習したからいらないよな。


「いや、杖術の方は経験があるから支援魔術だけ教えてほしい。」


「ふむ、かんたんな支援魔術なら俺も使えるからな。専門的な知識がいるならそれこそ大司教様に教えてもらえ。それじゃあ俺は準備してくるから先に行ってろ。」


「わかった。」


そういえば父さんてなんの仕事やってるんだろうな?家にも全然帰ってこないし、連絡なんて一週間前に”もうすぐすごいものが完成する”って言ったっきりだし。

しかし、ここの訓練場広すぎないか?明らかに冒険者ギルドより大きいんだが。


「その顔は訓練場の大きさがおかしいって思ってる顔だな。」


「ギルマスって、俺より生物としての位階高かったりする?」


「その位階どうちゃらはよくわからんが、この訓練場なら大賢者の空間魔法で広げてもらってるぞ。」


「大賢者すげぇな。あと、疑問に思ってたんだけど訓練場でどうやって魔石ゲットするんだ?草原とかじゃないとモンスター出ないだろ?」


「なに、かんたんな話だ。うちの冒険者ギルドでは『スライムの捕獲』という常設依頼がある。それで捕まえてきたスライムを訓練場で放し飼いにしている区画があるのさ。」


「なるほど。この仕組みなら初心者が危なくなってもすぐに助けられるってわけか。」


「そういうわけだ。さて支援魔法の使い方だが、そうだな、お前は今支援系のスキルを持っているか?」


支援系のスキルか…そういえばまだ何個か確認してないスキルあったな。


「ちょっとまだ確認してないスキル確認するわ。」


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善悪の天秤アロゲント・シーソー

善なるものを神は好み、悪なるものに神はいかる。善は益、悪は害。

神は我儘わがままなり。

戦闘時に適宜発動する。

自分が善とみなした者の全ステータスを50%増加させる。

自分が悪とみなした者のパッシブスキルを無効にする。

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《偶像か虚像か》

神は偶像であり虚像である。ただそれだけなのだ。

パッシブスキル。

自分を信仰するもののスキル効果を100%増加させる。

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「支援スキルではあるんだが、どちらもアクティブスキルではないな。」


「ふむ…支援魔術は要りそうか?」


「正直、必要ないな。これだけで十分すぎる。」


「ふむ。なら戦闘だけするか。杖を扱えると言っていたが実用に足るレベルかどうか見極めさせてもらおう。」


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「とりあえず、スライムを3体ほど倒してみてくれ。」


ふむ、杖術は週一で訓練してるからな。この世界も物理法則は同じみたいだから今まで鍛えてきた技がどこまで通じるか。

まずは基本の突きから。突かば槍とはよく言ったものだ。本来は無力化するための術なんだが。杖の先の一点に力を集めるようにして突く!

これで一体。にしても、訓練ソフトを使っていたときよりも動きが洗練されている気がする。ステータスの影響か?

さて、次の敵は払い技で倒すか。杖の敵に当てる部分で引っ掛けるように払い、掬い上げる!そこに突き!

技は十分に通じるんだな。防御力の高いやつ相手に通じるかはわからんがその時はまた何か考えるとするか。

次で最後だな。セオリー通り打撃で倒すとするか。相手の動きに集中して、急所を見極める。そして振り下ろす!

悪くない動きができたな。


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特定の行動によりスキル《U.原初の杖術》を獲得しました。

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《U.原初の杖術》

原初の杖は帰還した。

杖での戦闘時にアーツを使用可能。

・アーツ

《突き》《払い》《打ち》

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なんでユニークスキル扱いなの!?原初ってなに!?くっそ親父のやつ後で色々とゲロってもらうからな!!


「お前、その杖術は我流か?」


「いや、我流ではないな。一応師匠はいるよ。」


言葉も喋らんし始まった瞬間に殴りかかってくるから、あれを師匠と言っていいのかわからんが。


「それがどうかしたのか?」


「いやな…異常なほどに洗練されているから、もし我流だとすればどんな修行をしたのかと気になってな。」


血のにじむような訓練(物理)ではあったがな。


「それより、あと7体倒してきていいか?早いこと召喚してみたいし。」


「ああ、俺が教えることはなさそうだしな。」


てなわけで、倒してきたから召喚するか。


「ギルマス。召喚ってどうやってするんだ?」


「ギルドに召喚室という部屋がある。受付で申請したらつかえるぞ。じゃあ俺にも業務があるしそろそろ戻るぞ。もう案内は大丈夫だろ?」


「あぁ。助かった。ありがとな!」


そう言うと、ギルマスは軽く右手を上げて去っていった。


「んじゃ、申請しに行くかな。」


受付にはさっき俺の職業を聞いて絶叫した受付嬢がいた。


「召喚室を使いたいんだが…」


「はっ!ランダムs…モゴモゴ」


「バッカ聞いてるやついたらどうするんだよ!」


「そ、そうでした、申し訳ありません!」


幸いにも、昼時だからかギルドには俺以外誰もいなかったから助かった。


「誰もいなかったからいいけどさ…気をつけてくれよ。じゃあ召喚室の申請受理を頼む。」


「はい。召喚室ですね!廊下突き当りにありますのでしっかりと鍵をかけてお使いください。」


「ああ。ご忠告ありがとう。」


いよいよ召喚か。俺の最初の相棒はどんなやつになるのか、緊張してきたな。

召喚室に入りしっかりと鍵をかけると、ホログラムが浮き上がりチュートリアルが始まった。


「えっと、魔石を召喚陣の中央に一つ置いて、残りの9つを星の頂点に置いていく、と。」


それにしても、陣は九芒星なのか。随分珍しいな。


「次に手を広げて召喚の呪文を唱える。これ、意外と恥ずかしいな。」


んっんん。


「我が求めるは従順なる下僕しもべ。我が力となり、我と共に歩め!」


これで終わりなのか。なんか偉そうだなこの呪文。ちょっと付け加えるか。


「おまえが戦うならば、俺も戦おう。おまえが苦しいのなら、俺にも苦しみを分けてくれ。俺の願いは唯一つ!いきあたりばったりで楽しんでいこうぜ!」


その瞬間、突然頭に龍が浮かんで喋りかけてきた。


『フハハハハハ!!!面白い!貴様のようなものは初めてだ!ん?よく見てみれば貴様、神の因子を持っているではないか。ふむ……決めたぞ!貴様には我が子を預ける!いつか私に見せに来い!先の言葉忘れるでないぞ!我を楽しませてみせよ!』


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{召喚神の庇護}を取得しました。

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すると、召喚陣が白く光り輝いた。その光は龍の姿を形作っていく。


キュイィィィィィィン!!!!ポンッ!



「キュ!」


「えっ、可愛い。」


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