夜会への招待

友人。友人?

ユニークボスをしばき、ログアウトした俺はとりあえず飯を食うことにした。


「食材何が残ってたっけなぁ…おっ、牛肉と玉ねぎあるじゃん!これはもう決まりだな。」


牛肉と玉ねぎを使う料理……そう、牛丼である(偏見)


「じゃ、クックックパッドでレシピ探すか。ってルインきてんな。誰からだろ?」


蛇足ではあるが、ルインとはもちろんめっちゃ便利なコミュニケーションツールである。著作権は触れてないのでセーフ。


「ええと、なになに?」


『FAO、お前ももちろん買ったよな?分かるぜ、”極振ラー”の俺たちにあれを買わない選択肢はないもんな。それはそれとして、姉貴の機嫌悪くて殺されそうだから匿ってくれ。一緒にゲームしようぜ。』


「匿ってくれってどういうk「ピンポーン!!!」」


「今開けまーす!」


ガチャ


「おっすおっす!お前の親友が来てやったぜ!”運極狂いクレイジーラック”さん!」


「ぐふッ!うるせぇしばくぞ”暴走機関アンストッパブル”さんよぉ。」


「ぐふッ!」


何を隠そう、こいつは我が極振り道の良き理解者にして戦友の”最速至上主義者”如月きさらぎふうである。


「んで、風はまた鏡花きょうかさんになんかしたのか?」


「聞いてくれよ極ちゃん!姉貴の奴、この前俺が楽しみにしてたプリン勝手に食いやがったんだよ!だから仕返しに姉貴の部屋にゴキブリのおもちゃ置いといたんだ。そしたらブチギレた。」


「ハッ!ざまぁ!」


「まじで殴るぞてめぇ!」


喧嘩してるように見えるがじゃれ合ってるだけである。


「で、何だその荷物は?」


「しばらく泊めて♡」


「やだ。」


「そこをなんとか!食費負担するから!」


「ぬっ。」


実際問題こいつの家は金持ちなので、食費を負担するくらいは痛くも痒くもないのだろう。それに今FAO買ったせいで金欠だし……


「はぁ…分かったよ。ただ、ちゃんと洗い物とかはしろよ。」


「マジ大好き極ちゃん!」


「へいへい。んで、持ってきたんだよな?」


「おう、バッチリよ!早くやろうぜ極ちゃん!」


「その前に飯だ。風もまだ食ってないだろ?一人分も二人分も変わらんし作ってやるよ。」


「マジで!?ひゃっほう!極ちゃんの料理だ!献立は?」


「牛丼。」


「全裸待機しとくわ!」


「服着ろ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「じゃあ作るからテレビでも見て待っとけ。」


「極ちゃんの部屋行っちゃだめ?どんなゲームが増えてるか見たい。」


「んー、良いけど、すぐできるぞ?」


「出来たら呼んで!すぐ行くから!」


「ういー」


 さて、作るか。

 牛丼は、ぶっちゃけつゆさえ作ってしまえばそんなにやることはないので、作る間にFAOについて少し調べようと思う。今気になってるのは、北以外のマップの情報だ。特に南はもう第二の街まで進んでいるらしいし、どんな街なのか気になっているのだ。


 ふんふん、南のボスはでかいカエルだったのか。相性は…どうだろう?最悪キュランに焼いてもらえば終わるかもしれない。第二の街に行けたやつは結構いるんだな。そう考えると、南を攻略してから第二の街で装備を整えたりして、他の方角をクリアするのがセオリーっぽいのかな?俺はいきなり北クリアしちまったけど、別にトッププレイヤーを目指してるわけじゃないし、観光目的で南を見に行っても良いかもしれないな。まぁまずは聖国からだな。


そうこうしているうちに牛丼が出来た。


「風!飯できたぞ!!」


「すぐ行く!!!」




「で、風は今どんな感じなんだ?」


「ステ振りはお察しのとおりだぞ。SPD特化の避けタンクって感じだな。色々面白いことになってる。んで、極ちゃんはやっぱり?」


「もちろんLUK特化だぞ?引くほど恐ろしい進み方してる。つか、南の第二の街開放したの風だろ。早すぎるもん。」


「お?分かっちゃった?まぁ俺だけでやったわけじゃないけどな。」


「へぇ、ソロ専の風がパーティー組んでるの珍しいな。」


「まぁ、成り行きだな。また今度紹介するよ。」


「楽しみにしとく。なんか耳寄り情報とかあったりする?」


「ふふん、もちろんあるぞ!これはまだ掲示板で噂されてる程度なんだが、近々あれがあるらしい。」


「あれってーと?」


「イベントだよ!それも、対人戦だってよ!」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る