概要
──その者、食にて『呪』を解き明かしたること──
交番のお巡りさん沖田桃子は少女行方不明事件の捜索中に、
陰陽師を名乗る謎の女性、紡《つむぐ》と出会う。
彼女は食を通して現代の人が忘れた『呪《しゅ》』を説き、
『呪』によって巻き起こる様々な怪奇や事件を解き明かしていく。
その現代の人代表桃子も種々の怪奇に、
時に巻き込まれ時に首を突っ込み……。
異色のグルメ×怪奇譚ミステリー、開幕。
※『小説家になろう』『ノベルアップ+』でも連載しております。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愉快な仲間がわちゃわちゃ解決!独自テンプレが癖になるオカルトミステリー
タイトルから「陰陽師と怪奇が出てくるグルメ要素ありの小説なんだな」とわかるんですが、それだけじゃありません!
何と言っても、キャラクターとその絡みが面白い! あけすけな物言いは、相手をグサリと刺したり、ピシャリとハタいたりするようで容赦ない上、時にめちゃくちゃ雑対応なのですが、そこには深い愛情があるのがしっかりとわかります。ドタバタふざけ合うキャラクターは本当に楽しそうで、そんな彼女たちを読者は愛さずにはいられません!
そして、もちろんオカルト要素も盛り沢山です。作者様からは再三、真に受けないようにと言われているのですが、やはりこの作品は豊富な知識に裏付けられていると私は思います。作者様がた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!今日のお召し物は?
感想は書けどもレビューを書くのはほぼ初めてでして…
しかしそんな自分にもレビュー書きたいなと思わせる『食と怪奇と陰陽師』でございます。
少々お時間を頂ければ幸い至極。
すでにしっかりと素晴らしいレビューが置かれているので、今回は個人的に注目して欲しいポイントをお伝えしたく。
ずばり、ファッションです。
各回、テーマとなる呪やそれにまつわる食事が非常に魅力的な作品において、もう一つ、推していきたいのが紡さんとつばきちゃんのお洋服。
基本的に紡さんはジェンダーレスのブリティッシュスタイル、つばきちゃんは大正ロマンあふれる和洋折衷なイメージが多いですが… それと同じくらい、一癖ある(笑)お召…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それはまるで、奇妙且つ美味しい営みを綴ったかのような
本作を酷く短く語るならば、食と、日常と、呪、或いは怪奇現象を綴られた物語。
話は陰陽師と警察官の女性二人主人公に据えて進むが、一つ一つの会話や出来事からはしかと感情や情景が伝わり、文章を読んでいるのにしっかりと映像を想像できるかのよう。
一つのコンセプトとして怪奇現象を取り扱っているため、ミステリーやホラーとしての一面が垣間見えるものの、登場人物、特に主人公のコミカルな会話や思考によって重苦しさや恐怖が和らげられ、とっつき易い内容となっています。
また何より特筆したいのが、食べ物や酒のなんとも旨そうな描写について。
味は匂いまでも思わされるそれぞれの描写には、それぞれの話毎に「今日はこれ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美味い話には裏がある! 一口で語れない複雑怪奇をお召し上がりください!
このご作品はタイトルの通り、
「豊かな『食』の描写を読んで飯テロ食らいたい!」
「浮世に蔓延る『怪奇』の謎と脅威に慄き、その真相と深淵を味わいたい!」
「拗れた呪いを見識や考察を武器に解いていく、知性派『陰陽師』のクールな活躍が見たい!」
このいずれかに該当する方はぜひ御一読ください!
ただそれには留まらず、基本的に一話完結で本当に色々な性質のお話が盛りだくさんなので、結局のところこのレビューを目にした全ての人に対してオススメしたいです!
同じ純愛が描かれていても救いのあるものとないもの、トラブルの原因が神であるものから人であるもの、完全なギャグエピソードから容赦のない死が描かれるものまで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「見立て」の根幹をついたお腹の空くお話
「見立て」の技法というのは、日本文学史上、私の学んだ範囲では少なくとも江戸時代から明確にありまして、例えば『好色一代男』の井原西鶴時点での俳諧なんて、この「見立て」がなけりゃなりたたぬのです。ええ、西鶴時点の俳諧はまだちょっと上手いこと言ったもん勝ちな節がある。
その後、落語とかでも花が咲いた技法ですね。勿論落語家の皆様方が手ぬぐいや扇子を箸に見立てたり、キセルに見立てたりというところ……なんなら演目の「長屋の花見」だとか「貧乏花見」って言われるやつは、そもそもの内容がこの「見立て」に基づいておりまして、大根のかまぼこ、たくあんの卵焼き……うん、これ以上の薀蓄はお呼びじゃござんせんね。
と…続きを読む