103話 師匠の行方
涼音がうちに来てもう一ヶ月が経過した。
その間俺たちは平和謳歌している。
春休みはいいものだ、ちょうどいい気温で気分がいい。
花粉症さえなければな!
「くしゅんッ!」
隣から可愛らしいくしゃみが聞こえた。
「パパ~、鼻水!」
「はいはい、ちゃんと拭こうな」
鼻水を垂らしながらキャッキャとはしゃぐ涼音。
俺はテーブルに置いてあったティッシュを手に取り、涼音の鼻を拭う。
「パパ、鼻痒い。ズビビビビ」
ティッシュで鼻をかむ涼音は、不満そうに訴える。
「俺も痒いよ」
「痒いね~」
そんな会話をしていると、ガチャリと玄関が開く音が響く。
「ただいま~」
「お姉さんだ~!」
涼音は勢いよく立ち上がると、玄関の方へ駆け出す。
そのまま天音のお腹に突撃し、天音に抱き着く涼音。
「おいおい、走ったら危ないぞ。それとお帰り天音」
「ふふっ、すっかりパパだね」
「そうだな、大変だ。それより今回任務はどうだったんだ?」
「う~ん、普通?」
「なんだそれ」
「とりあえずリビングではなそ?」
最近は平和である。
つい先月のことが嘘のように平和、舞い込んでくる依頼も簡単なモノばかりだ。
「今回の依頼はね、普通に討伐依頼。別に強い個体でもなければ弱すぎる個体でもなかったよ」
「ここまで何もないとなんか落ち着かないな」
「そうだね、もしかしたら回復のために動いてないだけとか?」
天音は考え込むように首をひねる。
「ねぇパパ、ナニコレ」
そんな時、突然涼音が話しかけてきた。
手には手紙のようなものを持っている。
俺は不思議に思いながら受け取ると、手紙を開いた。
「これタンスの中にあったの!」
「な、なるほど」
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馬鹿弟子へ
わしは神になる
この手紙にわしと共鳴する鈴を入れておいた。
それでわしを探せ。
師匠より
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「ああ゛!!!!!」
忘れてた!
今の今まで忘れてた!
そうだ師匠おらんやん!
何で気づかなかったんだ…
「私なんで師匠のこと気にしてなかったんだろう…」
天音も困惑している
「とりあえず話を聞きに行こう」
巻物を取り出し、空中に放り投げる。
シュルシュルと音を立てながら、紙が広がり見慣れた画面のようなものが現れた。
数分後…
なるほど、とりあえず師匠が頑張ったことだけはわかった。
え?もっと悲しめ?
いや、だって実感わかないし…
そもそもあの師匠が死ぬところなんて想像できないっていうか、なんやかんやでしぶとく生き残ってそうなんだよね。
「家族旅行…」
「え?なんか言った天音」
背後からぼそりと声が聞こえ、振り向く
そこには真剣な顔をしながら涼音に胸をもまれる天音がいた。
「お姉さんおっきい!ズルい…むぅ!」
「ちょ、涼音ちゃんッ、ブラずれちゃうって!」
「あ~、涼音も大人になったらそれくらいになるから大丈夫だって!」
「嘘!おっきくなっても全然ぺちゃんこだったんだもん!」
「「ん?」」
「まだ、涼音はちっちゃいんだぞ~?」
「むぅ~!」
天音があやすように話しかけるが、聞く耳を持ちそうにない
「ゴホンッ話がそれたな。とりあえず明日あたりから捜索しに行くぞ?予定とか大丈夫か?」
「私は大丈夫だよ」
「スズも大丈夫~!」
そんなわけで唐突だが、マジで唐突だが!
師匠捜索の旅へ俺たちは旅立つのだった
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お久しぶりです
主の都合により休ませていただいておりました
いや~資格取得って大変ですね
え?結果…?
黙秘権ってあります?
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