第7話 俺の神器不遇武器だってよ

今俺はなんか神々しい所に天音と一緒にきている


何故か?


ふっふっふ

なんと今日は神器取得の日!

やったー


ちなみ俺がエロゲ時代に使っていたのは大剣だ


この世界は一撃の重さこそ正義

弱攻撃など厄には効かない。

すぐ再生するからだ


重い一撃で多く削る再生できないレベルまで削る。これが鉄則だ


「それでは、今から神器を授ける、1人づつ前にきなさい。」


神器の授かり方は

神社に祈り神に語りかけ自分に合った武器を授かる。


ちなみに天音は太刀だ

白と銀のグラデーションに所々金の粒がちりばまれたカッコいい奴

名を【冬月の雪刀】と言う


この太刀はとても優秀でリーチ、威力共に申し分ない


こんなものを見させられたら誰だって期待する、俺はワクワクしながら祈った


パァっと神々しい音がなり、気づけば二つの剣が俺の前を浮遊していた



二つ?

この世界の神器で二つの剣は一つしか無い

双剣だ


最弱にして最速の武器

手数と速さが売りの武器

しかし速度なんぞ重さあってこそ役に立つ

しかも神気をまとえばそれなりのスピードは出てしまうので正直いらないのだ。


さらに言えば片手に一本ずつ持つため一撃の威力はどうしても両手持ちと比べ落ちてしまう。



そっか…だからコイツは戦闘に参加してなかったのか、偵察部隊としてでしか役に立てなかったのか。


このエロゲに天音の幼馴染があまり出なかった理由が今、目の前にある


五歳にして、才能の壁に未来を潰されたのか



天音が心配そうに俺を見つめてくる。しかし、すぐにお偉いさんや大人たちに連れて行かれてしまった。



あぁ何してんだ俺は、何のために頑張ってんだ?


少なくとも天音にあんな顔させるために頑張ったわけじゃない



たとえスタート地点がマイナスだって退場させられたわけじゃないんだ



笑え!


俺が言ったんだ、自分で実現しなくてどうするんだ


「よぉ清水、お前の神器はなんだっけ?ちなみに俺は大曲剣だ!あ、すまんな~お前…「双剣だよ、悪いか?」


青山か、大曲剣はなかなかに強い、流れるように強攻撃が出せるのが特徴だ。


「な、なんだよ生意気だぞ!痛い目見ないとわかんないようだな」


周りを見渡すが助けはなし、雑魚はいらないってか。


両親は助けようとしてくれているが、お偉いさんが睨みを効かせているせいで踏み出せないっぽいな。



青山は清水家の神社の格上、ここで勝っても家が痛い目見るのは目に見えている。


適当に流すか



青山が剣を振り上げる。


「見せてやんよ、俺の必殺技をな!」


大曲剣の技と言ったら、回転切りか?いやそれとも、曲斬撃か?



「おりゃあ!次元切り!」


「な!ま、まずっ」



舐めていた少なくともレベル2程度かと思っていた!



次元切りはレベル3の攻撃だ

切った場所の一直線状に斬撃を飛ばし対象の一部を別の場所に飛ばす技だ。

まだ小さな俺は丸々入ってしまう。


必死に避けようとするも時すでに遅し。


俺は次元切りによって飛ばされた



______________________


「うっ、ここは…どこだ?」


あたりは木木木木、結論、森だな


ゾワゾワ!


突然の邪気、急いで隠れる


あいつは…三級⁈

厄には階級がある 一級~下位十二級まで幅広く中でも五級より上は特に厄介だ。

まず強さが桁違いだ。

さらにある程度の知能、超人的な再生力…

クッソただの森じゃなかった


三級はイレギュラーだとしても、森に五級がいるってことは選択肢は三つ

1つ 深緑の森

2つ 霊呼びの森

3つ 覇者の森


まず深緑の森だった場合、これは無理、死確定。厄の巣窟、ストーリー終了後レベルじゃないと歯が立たない。


次に霊呼びの森、ここも正直きつい名前の通り幽霊型の厄がうようよいる。しかも!もたもたしてると仲間を呼んでくる点が厄介だ。大剣などの一撃で終わらせられる武器ならまだいいが、双剣とは相性が悪い。


最後が覇者の森、山頂に近づくほど敵が強くなり、多種多様の厄がはびこっている

臨機応変に対応できなかったら死あるのみ



どれも最悪だがせめて覇者の森であってほしい


(まずは確認だな)


俺は木にのぼりそのうえを移動しながら厄を探す


しばらく探した結果



ここ、霊呼びの森やん…


俺は改めて自分の神器を見る


【龗神の闇刀】おかみのかみのやみがたな

なんかすごい神様の剣…いや刀だなおい!


龗神は火の神を伊邪那岐いざなぎが殺したときに生まれた水の神様

龍神の女神様とされ水のコントロールが主な力だったはず

さらに龗神は高龗神たかおかみのかみ闇龗神くらおかみのかみ二人まとめて龗神とされているらしい

闇龗神の神格は

対として見たとき闇龗神の神格は【谷間に流れる川を司る龍神】

とされ、高龗神の神格を【山に降る雨を司る龍神】

とするのが一般的なんだとか…


山に降った雨は山に貯えられ、それがしみだして谷川となり里に流れ来る。この一連の流れを高龗神と闇龗神がやってくれてるのだ

なら助けてくださいお願いします。ここ山ですしお寿司…


すいませんでした


で一方、川は時として人を苦しめる、闇龗神はそういう荒ぶる側面も持っていて、だからこその【闇】すなわち、そもそもは【邪神】…おわた

なんか他では闇龗神が封じ込められ、祀られることで、高龗神となったのでは?とかも言われている。



結局はよくわからないけど、とりあえずすごい神様なのだ


ドヤァ!


え?別に俺はすごくないって?いやぁー現実逃避しないとやってけないんだよね


「この目の前の絶望には…」


そこには優に百はいるであろう厄の軍勢が待ち構えていた


三級の軍指揮官級がいるなんて聞いてない!


ど・う・し・て・こ・う・な・っ・た!


俺は神器を片手いや、両手に臨戦状態へ移行した。


早く天音に会いたい…



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