第21話 精神安定剤

 気づけば結婚してから半年が過ぎてた。主夫のミシェルと派遣で週4勤務の私が毎日を過ごしてる。そして、スープの冷めない距離の同じ建物内に私の子供が暮らしている。


 私が仕事の日は忙しく時間が過ぎ去るが、お休みの日は、お出かけの後に昼寝をちょくちょくするのでゆったり、ほっこりと時間が流れる。


 ずっと変わらないのは、ミシェルがトイレに入ってる時に私はとてつもなくトイレを覗きたくなるのだ。恐らく幼少期に母親以外には見せたことのない排泄行為、あの禁断の個室…

人それぞれのきっと作法があるに違いない

どのような顔をして用を足してるのか?トイレットペーパーは何センチくらい使っているのだろう?お尻は立って拭く派のか?中腰派なのか?どのくらいの便をだしているのか?性状、長さ、太さまで興味深々。聞けば口頭で教えてくれるが、ライブで見てたい!覗きたい!

ドキドキ、ワクワクが鼓動を抑えながら

そっと、トイレの扉に近づいても、バレてしまい頑なに扉を開けてくれない。そんなに頑なに拒むのには羞恥心だけじゃない何か秘密があるのかと、余計に気になり、よし!いつか油断したときに覗いてやろうと俄然やる気が出てしまう。

 そしてもう一つは股間に手を当ててしまう。

私にはないフォルムのふんわりとした先端部を触れたい衝動にかられる。ふんわりとした触り心地に癒されるんだと思う。

 もちろん、ミシェルは拒否が強く両手を掴まれて動けなくなる。


 これは、小学一年生の時に流行った男子がキャーキャーと拒む女子を追いかけていたスカート捲りに似ているような気がする。当時は馬鹿だなと冷めた目で男子を見つめていた。

あれはただの男子のスケベ心だけだと思っていたのだが、そうではなかったのかもしれない。

一種のスキンシップの一環だったのかも。


 私は今日もトイレにそっと近づき、股間をさわろうと飽きもせず果敢に挑戦し続けている。


 


 

 

 



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