第5話 とある休日

私の趣味のひとつに喫茶店巡りがある


最近よく思い出す喫茶店に

港区高輪のキャロルがある

20年振りに行ってみたくなった。

当時の記憶を頼りにこの辺りかなと

赤い外観が懐かしさを感じる

ミニマムな店内と

見覚えのあるマスターが出迎えてくれる

メニューを見ると

あの頃よく夕ご飯に食べていたハンバーグカレーを注文する


食べ終わりアイスコーヒーを飲んでいると


常連客と思しき叔父様が隣の席に座った


何気ない話をしているうちに私はこの叔父様に


「あのー、話聞いてもらっていいですか?」


静かにうなづく叔父様に早速私が

「50代の男性とお見合いの予定があって、最近仲良しなのは70代の男性なんですが…」


すると

「40、50代はまだひよっこだよ。

60.70代は男盛りだから気をつけなよ」


ん? んん??


「えーーーっ!!! 男盛りなんですか??」


「僕はもうダメだけどね」と叔父様

叔父様は14歳に飛行機に乗って兵隊だったらしい、驚くことに91歳だとか…お話振りからそんな歳に思えません,


この91歳のおじさまのお言葉に

稲妻が走ったかのような

何故だろう、今日の私は素直なのか?

先輩の話は響くのか?

 

じぶんでは

恋愛対象の枠に60.70代は入っていなかったので

とても驚いた。

固定概念って恐ろしいわ

じぶんの世界を狭めてたのはじぶんだったことに…


この日から私は意識することにあの人を

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