君と終わりを幾千夜。

文明は完成した。


戦争、貧困、疾病、飢餓、差別、環境破壊 etc...
そんなものが人類を悩ませたのは、過去の話。

最早、働く必要も無い。
自分の人生を自分の為に使えることは当たり前。

そんな人類に唯一、残された宿題が退屈だった。
つまり、120年というこの長い人生をどう生きるのか。

その回答の１つが、VRゲーム。
アドベンチャー、RPG、パズル、アクション、レース　etc...
様々なゲームが造られた。

その中でも、根強い人気を誇るジャンルが1つ。

『終末系』

人類、もしくは世界の終わりを追体験するジャンル。

終わらない安穏の中で、人々は刺激を求めていた。
絶対に安全な場所から他人の不幸を眺める、という刺激。


少女は言った。「――人類。歪んでるぜ（笑）」