概要
全ての本は水に浮くが、全ての本が食べられるわけではない
【第一部 本の舟・完結】
大洪水を生き延びた一握りの人々は、周辺を水で囲まれた塔の中に幽閉状態となった。食料の備蓄も尽きかけた時、そこにあったのは、洪水前に運び込まれた大量の書物。
何百年経過しても相変わらず水だらけの世界。塔内の民への物資供給は、食料も含めてほぼ全て「本」に頼っている状態だが、一般の民はそれを知らない。
ある日、煉瓦職人の子ワタルは、長老より直々に図書館の司書になることを命じられる。初めは戸惑うものの、本の主な用途は「舟」の材料だと思っていたワタルは、書物の持つ無限の可能性を知ることになる。
【第二部 塔の亡霊】
第一部から三年後。若き長老・使徒達が塔内を彷徨う『亡霊』の謎に挑む。
*アルファポリスでも公開中
大洪水を生き延びた一握りの人々は、周辺を水で囲まれた塔の中に幽閉状態となった。食料の備蓄も尽きかけた時、そこにあったのは、洪水前に運び込まれた大量の書物。
何百年経過しても相変わらず水だらけの世界。塔内の民への物資供給は、食料も含めてほぼ全て「本」に頼っている状態だが、一般の民はそれを知らない。
ある日、煉瓦職人の子ワタルは、長老より直々に図書館の司書になることを命じられる。初めは戸惑うものの、本の主な用途は「舟」の材料だと思っていたワタルは、書物の持つ無限の可能性を知ることになる。
【第二部 塔の亡霊】
第一部から三年後。若き長老・使徒達が塔内を彷徨う『亡霊』の謎に挑む。
*アルファポリスでも公開中
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!謎が謎を呼び、謎がどんどん積み重なった塔の話
水没した世界にポツンと建つ塔を舞台にした、登場人物たちの駆け引きと信念と行動の物語。
舞台となる孤立した塔には、コミューンと称する共同体が住んでいる。彼らは厳格な組織運営のルールに基づいて、貧しくも平和な日常を過ごしているのですが、読者から見ると彼らの何気ない生活は非常に謎が多い。
孤立した塔の中で、様々な物資は何処からきているのか。水に浮くことが常識とされ、主として舟に利用される本。そして住民の出自……。
読み進む度に謎の答えは語られるも、その答えにも謎が含まれており、なかなか全てが明かされない。気になって気になって、それが次を読む推進剤になる。
もちろん、登場人物たちの人間模様も…続きを読む - ★★★ Excellent!!!知的好奇心くすぐる独特の世界観
生まれてから死ぬまで、海に囲まれた塔の中で暮らすコミューンの人々の物語。
この世界独自の規律と制度での生活が描かれる。
コミューンを支えているのは学者肌である変わり者の司書たちと使徒、そして不思議な力を持った「本」。塔の中心、まるで迷宮のような「図書館」には数多の本が眠っている。
主人公のワタルとゲンヤを中心とした若者の群像劇でもあり、上の世代に都度悪口叩かれながらも仲間とともに切磋琢磨していく姿が印象的。海外の某有名魔法ファンタジーを彷彿とさせるようなところがある。
この世界にはなぜ女性がいないのか(いるのか?)、赤ん坊はどこから産まれてくるのか、百歳をゆうに超えて生きる人間がいるの…続きを読む