謎が謎を呼び、謎がどんどん積み重なった塔の話
- ★★★ Excellent!!!
水没した世界にポツンと建つ塔を舞台にした、登場人物たちの駆け引きと信念と行動の物語。
舞台となる孤立した塔には、コミューンと称する共同体が住んでいる。彼らは厳格な組織運営のルールに基づいて、貧しくも平和な日常を過ごしているのですが、読者から見ると彼らの何気ない生活は非常に謎が多い。
孤立した塔の中で、様々な物資は何処からきているのか。水に浮くことが常識とされ、主として舟に利用される本。そして住民の出自……。
読み進む度に謎の答えは語られるも、その答えにも謎が含まれており、なかなか全てが明かされない。気になって気になって、それが次を読む推進剤になる。
もちろん、登場人物たちの人間模様も非常に面白いです。
読み始めたら、きっと続きが気になるお話です。