謎が謎を呼び、謎がどんどん積み重なった塔の話

水没した世界にポツンと建つ塔を舞台にした、登場人物たちの駆け引きと信念と行動の物語。

舞台となる孤立した塔には、コミューンと称する共同体が住んでいる。彼らは厳格な組織運営のルールに基づいて、貧しくも平和な日常を過ごしているのですが、読者から見ると彼らの何気ない生活は非常に謎が多い。

孤立した塔の中で、様々な物資は何処からきているのか。水に浮くことが常識とされ、主として舟に利用される本。そして住民の出自……。

読み進む度に謎の答えは語られるも、その答えにも謎が含まれており、なかなか全てが明かされない。気になって気になって、それが次を読む推進剤になる。

もちろん、登場人物たちの人間模様も非常に面白いです。

読み始めたら、きっと続きが気になるお話です。

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