生きる屍と希死念慮　ーなぜかゾンビを食べられるゾンビとなった私が、家族を失い死を望む少年を助け、終わった世界でともに生きる話ー

アネットは目覚めるとゾンビになっていた。
しかし、人間を食べずに日々を過ごす内に、動けなくなってしまう。
倒れたアネットの唇にゾンビが触れ、気づけばゾンビを食べていた。
アネットはゾンビを食べられるゾンビとなっていたのだ。
そんなアネットはある日、死を望む少年リョウに出会う。
妹のハナは行方不明で、両親は生存協会に殺されたという。
アネットはリョウを説得し、二人は行動を共にする。
旅の途中、ハナの飼犬のサクラが仲間に加わった。
辿り着いた町で、アネットは両親のゾンビを発見し、埋葬した。
両親の遺書には、生存協会が仇であること、不死戦線に向かえと記されていた。
アネットたちは、不死戦線にて二年を過ごす。
二年の時を経て、アネットは墓守に、リョウは弓の名手になっていた。
二人は平和な日常を受け入…続きを読む