第18話 GW④ 秋葉原デート
GW四日目。俺は日菜乃よりも先に目が覚めた。
隣では日菜乃が俺の身体に抱き着いて幸せそうな表情で眠っていた。
そんな日菜乃を横目に、俺は昨晩の出来事を思い出し赤面していた。
俺は日菜乃のおっぱいを揉んだ。それもかなりの勢いで。今まで聞いたことも見たこともない日菜乃の喘ぎ声と乱れた表情に俺は興奮してしまい、おっぱいを触る手を止められなかった。
「……あの感触、凄かったな」
俺は触った感触を思い出すかの様に手を見つめながら呟いた。
「何の感触が凄かったって?」
「うおっ!日菜乃起きたのか!」
「まさか悠くんがまだ私のおっぱい揉んだことで興奮してたとはね。まあ安心しなさいな、これからも悠くんが揉みたい時にいつでも揉ませてあげるからね♡」
日菜乃がパジャマの襟を引っ張り、谷間を見せつけながら言ってきた。
「そ、そんな毎回揉んでたら楽しみが無くなっちまうだろうが!」
俺は反論したつもりだったがどう考えてもこれは反論の言葉では無かった。
日菜乃がくすっと笑った。
やはり日菜乃には俺の感情や考えは全部筒抜けだった。
*
「日菜乃、今日は秋葉に行くぞ」
「あきば?あのオタクの聖地の?」
「ああ、そうだ。今日の買い物には丁度良い場所だ」
俺達は朝ご飯を食べながら今日のプランを立てていた。
今日買う物は大体決まっている。
日菜乃のゲーム機とぬいぐるみ、その他諸々だ。
「とりあえず十時頃に秋葉に着くように準備するか。じゃないと、どこの店もやってないからな」
「りょーかい!私あきば行くの初めてだから楽しみ♡」
俺達は朝飯を済ませ、日菜乃は自分の部屋に戻り各々出発の準備を始めた。
*
「うわー!ここがあきば!なんか興奮してきた!」
秋葉に着くと、日菜乃が飛び跳ねながら目をキラキラと輝かせた。
「あんまりはしゃぎ過ぎて迷子になんなよ?」
「ならないよ!子供じゃあるまいし!」
頬を膨らませて不満げな表情をする日菜乃に対して、はいはい、と俺は軽く受け流した。
俺達はまず、ゲーム機を買うために家電量販店に向かった。
「日菜乃、どのswitchが良い?」
「どのって、そんなに種類あるの?」
「そんなに多くはないが。大きく分けると俺が持っているテレビに繋げて遊ぶやつと、持ち運びに特化してどこでも遊べるやつがある」
「へぇ、そうなんだ」
「まあ俺が持ってるやつでも持ち運びは出来るんだがな。こっちのやつは携帯専用だからテレビに繋げることは出来ないんだ。俺的には俺と同じ奴の方が良いと思うよ」
「じゃあ悠くんと同じやつにする」
「ゲームソフトはどうする?何か気になるのあるか?」
「悠くんに勝ちたいから、とりあえずスマブラかな。あとはスプラトゥーンも」
負けたのが余程悔しかったんだろう。両方とも俺がボコボコにしたゲームだ。
無事に購入する物が決まり、俺はswitch本体とソフト二つを日菜乃にプレゼントした。
次に俺達が向かったのはゲームセンターだ。日菜乃がぬいぐるみが欲しいと言っていたためクレーンゲームでもやろうと思う。
「ねぇねぇ、悠くんはクレーンゲーム得意なの?苦手なら無理しないでね?」
「大丈夫だ、めっちゃ得意だから!心配すんな!」
心配そうにしている日菜乃に俺は自信満々で答えた。
「じゃあ始めるか。最初どれ欲しい?」
「えーと、このペンギンが良いかな?」
「よし、任せとけ」
俺は百円を入れボタンを操作し始めた。
日菜乃が心配そうに見つめていたが俺はいとも簡単に一体目を取ってしまった。
「はい、どうぞ」
「……え、もう取ったの?」
あまりの早さに日菜乃は驚愕していた。
「だから言ったじゃん、得意だって」
「いくら得意だからってこれは早いよ!まだ百円だよ!?」
なぜか知らないが俺は昔からクレーンゲームが得意だった。どこを掴めば落ちないのか、アームはどういうふうに動くのか、最初は勘でも出来ていた。
今となってはアームが身体の一部となり、クレーン台の中は俺の独裁所だ。そして俺は日菜乃が欲しいぬいぐるみを次々と取っていった。
「随分取ったな、そろそろいいか?」
「……そうだね。でも、まさか、悠くんがここまで得意だとは思わなかったよ」
「また欲しい時は言ってくれよ?いくらでも取ってやるからな」
取ったぬいぐるみは十体を超えていた。さすがにこれ以上は持てなかった。
*
「そういや、このぬいぐるみ達は何処に置くんだ?」
帰りの電車の中、俺は日菜乃に聞いた。
「んー、まさかここまで取って貰えると思ってなかったから。ベッドに三体置いて、あとは全部リビングに置こうかなって考えてる」
「そっか、全員可愛がってやれよ」
「……うん、取ってくれてありがと」
「あ、そうそう。明日はちょっとドライブ行くからさ、早めに起きといてくれ。あと二日分の着替えも今日帰ったら準備しておいて」
「着替え?どこか遠くに行くの?」
「まあ、それは明日以降のお楽しみってやつだな」
日菜乃にはまだ言っていない。明日からはGW最後のビッグイベント、二泊三日の旅行だ。
それを知った時に日菜乃が一体どんな反応をしてくれるのか、隣で拗ね始めた日菜乃の頭を撫でながら俺は心を躍らせていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます